お茶を楽しむのに欠かせない急須や湯呑み。素敵なライフスタイルを送る人たちのお茶の時間をのぞいてみると、そこにはとっておきの茶器がありました。お気に入りの茶器があるだけで、お茶はより身近なものになりそうです。

心がときめく茶器は
使い続けるうちに一層愛おしくなる

職業柄、数多くの作家の器をコレクションしているという刀根弥生さんの茶器は、実に表情豊かで味わい深さを放っていた。持ち手がないのが特徴の宝瓶(ほうひん)は、高木剛さんの作品。おととしの冬にお店で二人展が開かれた際に手に入れたという。

高木剛さんの宝瓶と村木雄児さんの湯呑み。一期一会の出会いのなかで見つけた2つは雰囲気が絶妙にマッチしている。

「はじめは茶器を買う予定ではなかったんですが、見た瞬間にときめいてしまいました(笑)。焼き締めなので、艶やかさが違いますね。口が広くて茶葉の出し入れがしやすく、洗いやすいので使い勝手も良いんです。しっとりとした美しさがあって、使っているうちに味が増すので、これからも大事に使い続けたいですね」

4年前、静岡にある工房を訪ねた際に購入したという湯呑みは、土物作品を手掛ける作家として知られる村木雄児さんのもの。

「いろいろな作家さんの工房を訪ねているのですが、村木さんはとてもおおらかに作品を作っているなという印象があります。小ぶりながら村木さんのおおらかさが出ている湯呑みは、手にすっと馴染む使い心地が好き。ずっと変わらない形には意味があるんだなと実感しますね

それぞれ別の作家の作品だが、どちらも薪の窯で焼いているものなのだそう。灰のかかり方などにより、ひとつひとつ表情が違い、豊かな味わいが楽しめるという。作家モノと聞くとハードルが高く感じるかもしれないが、個展などで作家本人に会って話をしてみると、その人柄を含めて器に愛着が持てるようになると教えてくれた。

一日のなかにお茶の時間を作ってみると、茶器を選ぶのが一層楽しくなると思います。茶器は形や大きさ、素材によっても印象が変わります。湯呑みと茶托の組み合わせを変えるだけでもイメージが違いますよ。小さい急須とぐい呑み、豆皿を合わせてみる、なんて楽しみ方もいいかもしれませんね。まずは個展に足を運ぶなど器との出会いを増やして、フラットな気持ちでたくさん見てみると、きっと素敵な出会いがあるはずですよ

刀根弥生
うつわshizen 店主

神宮前にある器ギャラリー「うつわ shizen」の店主。定期的にさまざまな作家の個展を開催しており、毎日の生活にそっと寄り添う器と出会うことができる。
http://utsuwa-shizen.com/

その日のおやつに合わせて
お茶と茶器を選ぶ

緑茶を飲むときは、お茶の色を楽しめる白磁のものを使うのがこてらさんのマイルールになっている。

こてらみやさんのご自宅にお邪魔すると、茶器がずらりと並んだ棚を発見。

「私も夫もお茶が好きでガブガブ飲むんです。毎朝たっぷり淹れる阿波晩茶はお水代わりに。それ以外にも食事やおやつに合わせてほうじ茶や緑茶を飲んでいます。淹れるお茶に合わせて、この棚から茶器を選ぶんです

真っ白な急須と湯呑みは、緑茶を飲むときに使っているもの。

緑茶は色も楽しみたいので白い茶器を使っています。20年前に台湾に行ったときに購入した急須は、台湾の作家さんのもの。ちょっと高かったけれど、他と比べて断然美しかったんです。湯呑みはロイヤルコペンハーゲンのヴィンテージです。紅茶っぽくないし、中国茶用なんでしょうか? 見たことのないデザインに一目惚れでした。お酒にも使えて、デイリーに活躍します」

こてらみや
料理家・フードコーディネーター

料理制作やスタイリングなど、食の総合的なコーディネーターとして活躍。素材の美味しさをシンプルな調理法で引き出した料理を得意とする。著書に『365日、おいしい手作り!「魔法のびん詰め」』(三笠書房)がある。