上條まゆみさんの連載「子どものいる離婚」。離婚は夫婦の数だけ理由がある。そして、離婚したくなくても離婚をする場合もある。高校の同級生カップルで、元夫のことが大好きだったというのが、19年前、37歳のときに離婚した香寿美さんだ。当時、彼女はパートタイマーで2児の母。しかし夫は家を出ていった。37歳だった彼女はどうしたのか……。

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死んでしまいたいと思った

石山香寿美さん(仮名・56歳)が離婚してから、もう19年が経つ。
当時、香寿美さんは、年収200万円台のパートタイマー。子どもは8歳と5歳。香寿美さんから望んだ離婚ではなかったこともあり、離婚した当初は辛くて、もう死んでしまいたいとすら思った。

「車がないから練炭では死ねない、でも、子どもに直接、手をかけるなんて恐ろしくてできない……。子どもがいるから頑張れるという言葉をよく聞くけれど、私は正直、子どもがいるから余計に辛かった。自分一人だったら、何を食べて何を着てもいいけれど、子どもたちにはそれなりのものを食べさせ、着せて、教育もつけてやらなきゃならない。それができるだろうか、という不安に押し潰されそうでした」

自分が子どもたちを守れるのか。不安に押しつぶされそうだった Photo by iStock

それでも香寿美さんは踏ん張った。パートタイマーのままでは子どもを育て上げられないと、正社員として転職、さらにもう一度転職。マンションを買い、2人の子どもを奨学金を借りずに大学まで出すだけの稼ぎ手となった。
人生すごろくゲーム、戦略を練って見事に自分の力で進めてきた香寿美さんの19年を聞いた。