WHOが「中国寄り」と言われたワケ…世界を翻弄した「迷走」の数々

現役外務官僚が語った
時任 兼作 プロフィール

ところがその後、WHOはツイッターで「COVID-19(新型コロナウイルス)に感染した人の多くが抗体反応を示すはずで、それがある程度の予防につながる」「(しかし)予防の程度や、どれくらい効力が持続するのかはまだわからない」などと表明し、軌道修正を行いました。

結局のところ、抗体検査の位置づけは、いまだ不明確なままです。「免疫証明書」を検討した国々はWHOに翻弄された形です。

 

マスクは効くのか、効かないのか

いまや世界中の人たちが有効性を認めるようになった、マスクについての見解も迷走しました。

WHOは2月27日、マスクの使い方の指針を発表しましたが、「せきやくしゃみなどの症状がない人は、公共の場でマスクを着用する必要はない」と指摘しました。さらに4月6日付の指針でも「(マスクの着用で)感染を予防できる根拠は、今のところない」と繰り返し、むしろマスクを着用することによる安心感から、手洗いがおろそかになったり、他人との距離を取らなくなったりすることについて注意を呼びかけたほか、マスクを着用することでかえって顔や目の周辺を触ってしまい、感染の危険性が高まりかねないとまで指摘しています。

ところが6月5日、テドロス事務局長は記者会見を行い、「マスク使用の指針を更新した」と発表。感染拡大地域において、他人と十分な距離をとることが難しい場合は、マスク着用を政府が勧めるべきとも述べ、一転してマスクの着用を推奨したのです。

要するに、WHOの見解は間違いだらけだったわけです。