パリ滞在の最終日は空港まで…

そして、ホステルのリビングで他の滞在者と誕生日パーティーをしたりと楽しく過ごし、全く害がないままパリ滞在の最終日を迎えた。私は荷物をまとめ、パリ市内から公共バスでシャルル・ド・ゴール空港へと向かうためにチェックアウトしようとすると、フロントでクリスが待ち構えていた。

今にも泣きだしそうに寂しそうな瞳で「空港まで送らせて」と言うので『いいよ、バス代もかかっちゃうし一人で大丈夫だから』と返す。しかし、「どうしても最後見送りたいんだ。送らせて!」とクリスは言う。バス停まででいいよと私は言ったが、結局クリスは空港バスにもついてきた

数日間ずっとクリスと一緒にいたけれど、ジゴロというか……もはや子犬にしか見えない。一人では生きていけないか弱い子犬。学歴も職歴もなく、働く気すらないクリスが、今後心を入れ替えて自力で働こうとするとはとても思えなかった。

彼の面倒をみれるような余裕がある女性と出会えればいいけど……あのユースホステルには若い子しかいないから余裕なんてない子ばかりだと思うし、高級ホテルの近くでうろつくほうがいいんじゃないかな……。そんな情が少し湧いてしまっていた私はクリスの心配ばかりしてしまう。

天気が良い日の美しいエッフェル塔。写真提供/歩りえこ

この日、フランスでは寒波の影響で稀に見る大雪が降り始めていた。フランスの飛行場は雪慣れしていないので雪にめっぽう弱い。飛行機が定刻通りに飛ぶかどうか分からず、カウンター周辺は大勢の搭乗客で溢れ返り、大パニックが起きていた。