日本人女性からの忠告で
調べた言葉の意味に驚く…

パリで生まれ育ち、この街のことならある程度何でも知っているクリスは街を色々と案内してくれた。私の顔の半分ほどしかないと思うほど顔の小さいクリス、身体も折れそうなほど細い。ちゃんとご飯を食べてるのかな?と心配になるほどだ

安い大衆ビストロでランチを食べながら、聞いてみる。「仕事は何してるの?」『仕事はしてないよ、探してるんだけどなかなか決まらなくて……』フランスは失業率が高いと聞くけれど、家も仕事も家族も友達もいないなんて……ますます何て言っていいか分からない。一体どうやって生計を立てているんだろう?

パリのカフェで。写真提供/歩りえこ

謎は深まるばかりだが、深入りすると母性本能を擽られて放っておけなくなるかもしれない。ランチ代は普通に割り勘をして、ビストロを出た。

夕方、ホステルに戻ると日本人女性が私に声をかけてきた。「あのクリスって子、気を付けてね。ジゴロって噂だから。ここに泊まる日本人女性を捕まえては飲食代や宿泊代をせびって生活してるって噂だよ。家族がいないとか友達いないとか、本当かどうか分からないから、あまり信用しないほうがいいよ

え!ジゴロ?ジゴロって……女性にたかって生活するヒモ男ってこと!?

私は慌てて、ネットで「ジゴロ」を調べてみると、もともとフランス語の「gigolo」が語源だそうだ。つまり、フランスはジゴロ発祥の地であり、フランス人男性が始めた生活手段とのこと。辞書では「エレガントな(洗練された)若者で、どのように生きているのか不明の者」とも書かれている。いや、なんかカッコいい風に説明されてない?

要は【仕事も全くせず女性にたかってるだけのろくでもない男】なのに……ジゴロって響きもどことなくお洒落でなんだか腹立たしい。ジゴロって言葉を調べれば調べるほどなんだか腹立たしいので、ヒモ男で検索してみる。【ヒモ男とは女性の収入をアテにしてロクに仕事もせず、自力で生活しようとしない男性のこと。ヒモ男の語源は、海に潜って貝類や海藻を取る海女さんからきていると言われている】と書いてあった。

カラフルで可愛いフランスの列車。写真提供/歩りえこ

ジゴロ=ヒモ男なのに、なんかヒモ男のほうが間抜けな印象だな(笑)。ただ、ジゴロがヒモ男と違うのは肩身の狭い思いをしている存在ではなく、自由度が高いこと。恋人がいたり、結婚していたりしながらジゴロをしている人も多い。しかも、多くは自分がジゴロであることにプライドと誇りを持っているというのだ