14年ぶり!アップルがCPU変更でデバイス大統合を狙う3つの理由

ライトユーザーには朗報、ではプロは?
西田 宗千佳 プロフィール

アップルは、現在のmacOSにも「Catalyst」という機能を搭載している。開発者が同時にmacOS用アプリとiOS/iPadOS用アプリの開発をおこなえるようにするもので、Mac用アプリを増やすことが狙いだ。

Appleシリコンを採用するMacからは、Catalystに頼らなくてもiOS/iPadOS用アプリが動作するようになる。

Macで動くiPhoneやipad用のアプリ
  Macの画面の中で動いているのは、iPhoneやiPad用のアプリだ

もちろん、Mac用アプリも必要なので、Catalystが不要になるわけではない。だが、日々現れる多数のアプリがそのまま使える利便性を考えると、Macユーザーによっては大きな価値を生み出すものであることは間違いない。

CPUアーキテクチャが同じでなくてもアプリを動かす方法は存在するが、同じもののほうが技術的にはずっと楽だ。そして、アップルは明確に、macOSを「iPhoneやiPadの側に寄せて」きている。

20年ぶりの“バージョンアップ”

秋に公開される新しいmacOSの名前は「Big Sur」だ。

【写真】新macOS「Big Sur」
  新macOSの名称は「Big Sur」

Big Surは、macOSとしては久しぶりの、大幅にデザインやアイコンなどを変更した文字どおりの新バージョンになる。

じつは、macOSは2000年からずっと「バージョン10」であり続けてきた。以降の進化は、小数点以下の数字で表されてきたが、今回のBig Surでついに「バージョン11」へと格上げされる。CPUの変更と合わせて、それだけ大きな変化を施すということだ。

「じゃあ、MacにiPadのようなタッチ機能がつくのか」とか、「そもそもiPadとの棲み分けは?」などの課題はある。今回の発表では、これら課題への答えは示されなかったが、少なくともアップルが、「Macを使っている人にとっては、iPhoneやiPadは一緒に使うと圧倒的に一貫性がある製品」という流れを、さらに加速しようとしているのは間違いない。

【写真】macOS Big Surの画面
  macOS Big Surの画面。かなり「透明な要素」が増え、ボタンや設定項目のモチーフもiPhone的になった

アップルの"事情"

そして、最後に「企業としてのアップル」が抱える理由だ。「メーカーとしての事情」と言い換えてもいい。

その事情とは、いったいどういうものなのか。