法改正後も、派遣の働き方は変わらない

『ハケンの品格』より (C)NTV

――前作の放映から13年、働き方はどのように変わったと感じますか。

中園:派遣社員の労働環境は、ますます厳しくなっているように感じます。派遣社員といえば当時は女性が多かったのですが、最近は男性も増えました。

2007年版『ハケンの品格』を書いた時から今までずっと、派遣社員の女性たちに仕事で起こったエピソードや気持ちを継続的に取材しているのですが、コロナ下においては真っ先に大変な思いをしたようで本当に心配しています。

リモートワークの環境は整っているのに、在宅勤務を認められているのは正社員だけで、派遣社員は出社を命じられたという話がありました。コロナ禍に乗じて契約が終了したという話もたくさん聞いています。みなさん命懸けで仕事をしているんですよね。私が話を聞いた方たちは「在宅勤務したいけど、契約を更新してもらえなくなるから行かなきゃ」と口をそろえていました。

――派遣法が改正され、2015年には「3年勤務後には派遣先に直接雇用を依頼する」ことが定められ、今年4月の改正では「同一労働同一賃金」を目指すことになりました。

中園:法改正が派遣社員のためになっているかを考えると疑問です。あくまでも私が取材した範囲の話ですけど、2015年の法改正後に正社員になったという話はほとんど聞いたことがありません。みなさん、3年の契約満了直前に雇い止めにあっている。契約期間を更新できなくなった分、雇用期間が短くなってしまっています。

「同一労働同一賃金」についても、実際のところは派遣先から同一賃金を支払われていないケースをよく聞きます。派遣先が支払わないから、仕方なく派遣会社が正社員との差額分を肩代わりして派遣社員に払っている。派遣社員の労働環境うんぬんの前に、急に人件費の増えた派遣会社が潰れてしまうのではないかという不安の声も聞こえてきます。

そういう話を聞くと、今回の法改正もやっぱり不満をおさえこむための建前だったのでは、と思ってしまいます。法改正が決まると、みんな今より良くなるだろうと期待するのですが、改正されるたびに理想からどんどん遠ざかっていく……。現実は厳しいです。