不倫に決まった形はないが

当たり前だが、男性と女性がいて不倫が成立する。女性が既婚者で相手の男性が独身の場合であっても不倫になる。もちろん既婚者同士の場合もある。不倫に決まった形はない。アメリカでは以下のようなデータがある。

・57%の男性が浮気をしたことがある
・54%の女性が浮気をしたことがある
・22%の既婚男性が不倫をしたことがある
・ 14%の既婚女性が不倫をしたことがある

(ソース:スタスチックブレイン研究所)
-AD-

浮気に関しては「感情的なものだけ」も含まれる。ただ、浮気も不倫も男性のほうの比率が高いので、なんとなく世相を表していることはわかる。しかし、既婚女性の不倫の割合を見ると、ゼロに近いわけでもない。アメリカでは既婚男女ともに「不倫する人はする」ということが一般常識になっているのだ。

アメリカでは男女平等が進み、収入の格差も男性と女性の差は日本ほどではない。男性による仕事と家事や子育ても日本より両立しているので、不倫も男女平等に近くなる。子供がいくら小さくても「女性が育てなければいけない」という固定観念もないので、子供が幼いときからの父子家庭もあるし、離婚後は共同親権である場合がほとんどだ。

極端に書けば、日本の女性の収入が男性と変わらなくなり、男女の権利が等しくなると、日本はいまほど視聴者や読者が不倫で騒ぐことはなくなるだろう。男女どちらかが極端に時間的にも金銭的にも不自由な状態にはならないからだ。女性の賃金が男性並みになれば、子供のいる家庭では保育所に預けることやベビーシッターを雇うこともできる。「子育て中の奥さんがかわいそう」という論理も当てはまらないわけだ。

離婚の際に不利にならないからといって、アメリカで不倫が盛んに行われているわけではない。その背景には、家事や子育てに男性も忙しくなり、子供がいる女性もバリバリ働いていて、お互い「それどころではない」といったところがある。

男性社会であることは間違いない

日本は誰がどんな否定をしても、男性社会であることは間違いない。日本人は、テレビで男性ばかりの政治家の集まりや有識者会議の映像を見慣れているので違和感はないだろうが、欧米社会から見ればすぐにわかる。

例えば、サウジアラビアの国王や王族、政府関係者など約1000人が日本を訪問したことがあるが、ほとんどが男性で、髭を生やし、クーフィーヤと呼ばれる頭にかぶる装身具の人たちの映像が流れると、「男社会なんだな」と思うだろう。欧米人にとっては、アジア人を見慣れていないので、日本の会社との会議であっても同じような感覚になるのだ。「日本は男ばかりだな」と。

ニューヨークで女性同士の連帯を示す女性によるパフォーマンス
-AD-

日本が男性社会である理由は感覚だけではない。男女の賃金格差にも表れている。ニューヨーク市での男女の賃金格差は、男性が1ドル稼ぐたびに89セント稼ぐ、と示される。つまり、数字としては男性100に対して女性は89なので、いまだ男女に11%の格差があることになる。だが、欧米ともに先進国はだいたい同じで、男女比は100対80~90で推移している。一方で、日本は男女の賃金格差は男性100に対して女性は75なので、25%の格差があることになる。先進国で日本は毎年最下位だ。

日本の賃金格差の数字は、ニューヨーク市の白人女性と黒人女性の賃金格差が34%なので、むしろ昨今問題になっている黒人の「システム化された人種差別」の数字に近いだろう。日本の場合、「子育て期間中に休むから女性のキャリア形成ができない。だから年齢が上がっても女性の賃金が安いのだ」という意見もあるだろうが、これは女性が40歳をすぎると急に能力が下がるわけではなく、日本社会の女性ケアシステムが欧米並みになっていないだけの話である。