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コロナ禍の巣籠り需要で「オンライン大学MOOCs」が復活した理由

10年前のブームと何が違うのか

新型コロナ・ウイルスによる災禍を経て、高等教育の在り方が根本的に変わろうとしている。今年3月から数ヵ月に渡って厳しい外出制限が敷かれた米国では、自宅からオンラインで大学の講義を受講する人たちが急増した。

なかでも「MOOCs(Massive Open Online Courses)」と呼ばれるオンライン専門大学では、最大手の「Coursera(コーセラ)」が2ヵ月間で約1000万人の新規受講者を獲得。これは前年同期比で7倍のペースだが、「Udacity(ユダシティ)」など他のMOOCsもこれに匹敵する勢いで伸びており、業界全体がにわかに活況を呈している。

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二度目のブームを迎えた経緯

MOOCsが最初に注目を浴びたのは今から約10年前。当時、スタンフォード大学教授のセバスチャン・スラン氏やアンドリュー・ング氏ら気鋭のAI研究者が各々、起業家としてMOOCsを立ち上げた。

当初、AI関連科目を中心に試験的に始められたMOOCsには、短期間で数十万人の利用者が登録。これに手応えを得た創業者らは、受講できる科目数を大幅に拡大してMOOCsを本格的な教育事業に仕立て上げた。

しかし、その後の道のりは険しかった。多くのユーザーはMOOCsが提供する講義ビデオをつまみ食い的に視聴するだけで、コースの最後まで見終わる人は少なかった。また当初、MOOCsは無料で提供されることが多かったが、その後、大半が有料化されると、お金を払ってまで学ぼうとするユーザーはそれほど多くなかった。

このためMOOCsの多くは経営危機に瀕し、なかには従業員を大幅に削減するなどリストラに追い込まれるところも出てきた。しかし、この厳しい期間に彼らは多くのことを学んで事業の改善を進めた。

特にカリキュラムの中心を「コンピュータ・プログラミング」など職業教育にシフトさせ、それらのコースを最後まで終えた人に「マイクロ学位」などと呼ばれる資格を授与することで、受講者数が再び増加に転じた。

なかでもUdacityは企業と提携し、その従業員をオンライン動画で社内教育するビジネス・モデルが奏功し始めた。そこに今回のコロナ禍が訪れたが、それは「災い転じて福となす」の典型的ケースとなった。

 

少なからぬ企業が在宅勤務の一環としてUdacityで学ぶことを従業員に奨励し、その授業料は企業側が負担した。こうした環境の好転を受け、UdacityをはじめMOOCsの経営状態は劇的に改善し、この業界全体が二度目のブームを迎えるに至った。

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