株価が厳しい時期も…

ただし勉強のための書籍購入代だけはケチらず、長期投資のセミナーにも通った。そこで知り合った長期投資仲間の薦めで、よいと思った投資信託を3本ほど買い足し、約20万円のボーナスは、それぞれの投信に分割して全額投入する。もっとも投資信託は基準価格がどうしても上下する。リーマンショックや東日本大震災が起きて、株価が厳しい時期も長かった。

猛然と勉強をした Photo by iStock

「リーマンショックのただ中、人手不足で月に18回も夜勤をしていたんです。眠れなくて体調を崩して、原因不明の肺炎で倒れて、半年ほど寝込んだんですよ。多分ストレスのせいだったと思いますが、気持ちも落ち込みましたよ。でも投信はマイナスになっていたし、ここで負けられない。這ってでもやらなきゃ、不退転だと必死の思いで職場に行ったんです。そしたらドクターが私の側に来て、『あなたに出てきてもらわないと困る。がんばって!』と声をかけてくれた。長く休んで自信もなくしていたけど、頼りにされていると思ったら嬉しかった。2週間後にはすっかり元気になっていました」

コツコツと投資を続けて約10年が過ぎると、すべての投信がプラスに転じて、資産が目に見えて大きくなってきた。こちらの投信に1500万円、あちらには数百万円という具合で、合計数千万円。ローンの返済も終わったし、子どもたちも大人になった。
「投信の基準価格が下がっていると気持ちが沈むし、本当に上がる時は来るんだろうかと思うんです。でも中には倍になった投資信託もあったし、ほんとにありがたかった!  私は毎月100万円稼げる人間ではないし、たった20万円なんだから、自分の信念をかけないと。現場で40年働いた血肉のお金ですよ。もし長期投資をしなかったら、たんなる血肉で終わり。頭がおかしくなっていたかもしれないです」