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「凡庸なホテル」がウィズコロナ時代に生き残る道

「3つのリソース」の見直しから始めよ
インバウンドで空前の活況に沸いたホテル業界は、いまや苦境のどん底にある。江上剛氏の新刊『ラストチャンス 参謀のホテル』では、老舗というだけで漫然と経営を続けた結果、中国資本に狙われ、顧客に見放されつつある高級ホテルを再建するためのノウハウが、実にリアルに描かれている。
同書の取材協力者である立教大学ビジネススクール教授
・沢柳知彦氏は、20年間、外資系不動産会社でホテル投資や開発のアドバイザーを務めてきた。
ウィズコロナ時代に“凡庸なホテル”が生き残るには? 作中からのヒントを交え、沢柳氏に語ってもらった。

鍵になるのは「近隣からの集客」

コロナウィルス感染拡大で人の流れが止まり、ホテル・旅館業界は未曾有の経営危機に直面している。緊急事態宣言解除後も第二波への警戒やインバウンドレジャービジネスの本格的な回復までの道のりを考えると、V字回復は望めない。というより、前と同じところに「回復」するのではなく、前とは異なった「ニューノーマル」の世界に「移行」していくことになる。

そんな中、これといった特徴のない凡庸なホテルはどうやってビジネスを再構築していったら良いのだろうか? ウィズコロナの時代に生き残る道を探ってみよう。

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コロナウィルス感染リスクを意識しながらの生活環境下では、人は遠出をしなくなると言われている。以前は、ビジネスホテルであれ、コミュニティホテルであれ、宿泊客は域外の遠くからやってきて宿泊してくれた。国内の遠方客が不足すると、今度は海外からの訪日客を当てにして集客してきた。

残念ながら今のところ、世界中の感染リスクが低下しないと国境を跨ぐ旅客量は本格的に回復しないと見られており、しばらくはインバウンドレジャー客に期待することはできない。また、国内移動であっても公共交通機関に長時間乗ることに不安を覚える人も少なくない。

そこで、自宅から1-2時間で到着できる目的地への旅、いわゆる「マイクロツーリズム」が脚光を浴びることになった。しかし、近隣からの集客を苦手としているホテルは、実は多い。何故か?