# 大学入試

2021年、大学共通テストの「試験日選択」で有利なのは…?その意外な答え

「損する人」が続出する
原田 広幸 プロフィール

受験生全員が「損をする」…?

私は、コロナ休校が始まった直後から、学修期間の延長とITC環境整備のための「消極的9月入学」を主張してきた。だから、9月入学が政策の選択肢から外れても、次善の策としては、あらゆる入試日程を、なるべく遅く実施することが求められると考えていた。

しかし、文科省の決定は、「期日通り派」(主に大学側・実施主体側)と「延長派・9月入学容認派」(主に高校生や指導現場)の両方の要求に応えるつもりなのか、共通テスト2日程(3日程)を提示し、大学側には、出題範囲での対応を求めた。

これは、端的に悪手だと思う。共通テストの期日をずらせるなら、一律でスライドし、国公立の試験日程も同じ日数分ずらすだけでよかった。

それよりも一番まずいのは、なぜか問題山積の新しい形式での共通テストをそのままの内容で実施しようとしていることである。コロナのどさくさに、ということではないが、コロナ禍に、なぜ全く新しい社会実験を強行しようとしているのか?

大学入試センターは、すでに問題を作成したか、作成しているところであろう。日程が増えた分は、これから作成するのかもしれない。だとするならば、せめて、大幅な変更が予告されている英語と国語、数学1Aについての出題については、旧センター試験型の形式と内容に戻して、作問、あるいは問題選定をやり直す方が良い。

 

日程が複数になって、さらに不透明さが増した共通テスト(国公立大1次試験)は、すぐにでも「センター試験」に戻すべきである。官僚的プライドとして「戻せない」というならば、名前は共通テストのままでよい、出題形式をこっそりと、センター試験と同じ形に修正する「コロナ対応」をしてほしいと思うくらいだ。

感情論先行で、思いつきのような制度設計が目立つ。いずれにしても、このまま入試に突入すれば、大きなトラブルがいくつも発生し、コロナで大変な思いをした受験生に、さらなる負担をかけることになりかねない。

このままでは、新・共通テストに「2日程選択制」が導入されることによって、どちらを選択する受験生も、つまり今年度の受験生全員が「損をする」ことになりかねないのである。

共通テストの新日程の導入による大学・学部個別の受験への影響についても、対応すべき大きな課題が山積している。

初年度から大幅に内容が変更される「国語」と「英語」を教えている身としても、共通テストの内容は切実な課題である。受験生と教育現場の願いが、政策決定者に届くよう、ぜひ読者諸氏による「共有」と「拡散」をお願いしたい。