# 大学入試

2021年、大学共通テストの「試験日選択」で有利なのは…?その意外な答え

「損する人」が続出する
原田 広幸 プロフィール

「大学の出願先選び」で大問題が起きる

上記の推定が正しいとなると、大学の出願行動に、大きな問題が生じることになる。

仮に、第1日程に浪人生と受験エリートが多く参加し、第2日程に「学業の遅れ」の自覚がある現役生が集中したとする。そして、第1日程・第2日程のそれぞれが、奇跡的に全く同じ難易度で出題されたとする。

この場合、理想的な出題に成功しているにも関わらず、第1日程・第2日程それぞれの「同じ点数」の受験生の成績が、「異なる偏差値」として算出されることになる。

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つまり、こういうことだ。

例えるなら、第1日程はエリートだけの「駿台模試」。第2日程はレベルが様々な「進研模試」。仮に、駿台模試と進研模試が、全く同じ難易度の良問を作成したとしても、あくまで受験する母集団は別になるのだ。受験する母集団が異なれば相対的成績(順位)と偏差値は異なる。試験の効果測定としての意味が変わるということだ。

そして、各受験生はその相対的成績、偏差値基準でみて出願先を決定するので、第1日程受験者集団は、よりシビアでネガティブな判断で出願先を決定し、第2日程受験者集団は、よりポジティブな判断で出願先を決定することになるだろう。

 

本来ならば、「もっと上を狙えたのに」、という受験生や、実力よりも上の大学に出願して不合格になった、というような受験生がたくさんでてくることになってしまう。これ自体、受験生たちの不利益にほかならず、社会的にも損失が大きい。

こういった不合理を解消するには、第1日程の2週間後に行われる第2日程も含めて「合算」し、両日程を通算して「偏差値」と合格可能性の判定を行わなければならない。

しかし、1月30日・31日にようやく成績が出そろって、それから、両日程の受験者の成績判定を行っていては、国公立大の出願には間に合わない。受験生は、不確定な「日程毎の偏差値」で出願先を決めるか、大きく遅れて確認できる偏差値が出るのを待って出願するか、そのどちらかを迫られる

この問題に対応するには、国公立大学の前期日程および後期日程の後ろ倒し以外の方法はなく、もしそうなるとすれば、私立大学の入試日程や受験・併願状況にも影響を与えることとなるだろう。

厳密にいえば第3日程(追試験)もあるわけなので、もはや、国公立の出願は、目隠し状態で行なうも等しいという最悪の事態を招く可能性すらあるのだ。