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中国政府が進める香港への「恐怖支配」…狡猾なやり口が見えてきた

明らかになった「国家安全保護法」の中身
ふるまい よしこ プロフィール

この議長選出の遅れは実際には、昨年からの議長連投を狙う親中派議員らの失策が大きかったのだが、中国政府直轄の両弁公室はその責任をわざわざ民主派になすりつけたのである。

香港社会は激震した。というのも、これまで両弁公室が最高議決機関である立法会の議事運営に対して口を挟むことはなかったからだ。香港基本法の22条にも「中央人民政府所属の各部門(訳注・省庁に相当)、各省・自治区・直轄市はいずれも香港特別行政区が本法に基づいて独自に管理する事務に干渉してはならない」と記されており、両弁公室の民主派議員に対する非難はこの取り決めを破ったものとして反発が巻き起こった。

香港の官庁街〔PHOTO〕Gettyimages
 

それに対して、中連弁が反論。「両弁公室は中央政府が香港事務を処理するためにわざわざ委任した専門機関であり、基本法22条には該当しない」とする声明を発表し、「(両弁公室が)監督権を行使するのは当然」とその「超法規性」を主張した。これは香港の主権返還から23年間、一度も聞いたことのない主張で社会は大きなショックを受けた。

香港政府はこの中連弁声明の翌日夕刻になってやっと、「中連弁は香港基本法22条2項に基づいて中央政府が成立した3つの機関の一つである」とする声明を発表。この22条2項とは、中央政府の各機関が香港に出張機関を設ける場合、香港政府と中央政府の両者の認可を受けることを定めた条項である。

しかし、この夜11時半過ぎになって香港政府から二度目の声明が発表される。そこでは、先にあった「香港基本法22条2項に基づいて設立された」の文言が消えていた。

さらに深夜2時半頃になって3度目の政府声明が出た。その内容はなんと、中連弁が「香港基本法22条2項が指す『中央政府の各部門が香港特別行政区に設けた機関』には該当しない」となっており、明らかに夕刻の最初の発表とは真逆の説明になっていた。