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中国政府が進める香港への「恐怖支配」…狡猾なやり口が見えてきた

明らかになった「国家安全保護法」の中身

明らかになった「香港国安法」の中身

6月20日夜、全国人民代表大会(以下、全人代)の常務委員会が閉幕、そこで審議にかけられていた「中華人民共和国香港特別行政区国家安全保護法」(以下、香港国安法)の草案の一部が新華社の報道によって明らかになった。

それによると、新たに香港に、
(1)香港行政長官を首とした国家安全保護委員会
(2)中央政府から派遣される国家安全事務顧問
(3)香港警察システム内に国家安全保護部門
(4)香港律政司(司法局)内に国家安全犯罪事件専門の検察担当局
(5)中央政府直属の国家安全保護公署
などの機関を設立する。

さらには、香港の現行裁判所システムにおいて、現任あるいは引退した裁判官から国家安全事件を担当する特任裁判官を指名することが明記されている。そして香港の現行法が香港国安法の内容と矛盾する場合、中央政府が制定した後者を優先するとしている。

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新華社の報道は草案全文を公開しておらず、一部をかいつまんで紹介したものであり、報道によってもたらされる影響を十分に考慮して発表されたことは間違いない。なので、全体的な草案のトーンはよくわからず、疑問点も多い。

たとえば、中央政府直属で香港に設置される国家安全保護公署については「特定の状況下でごく少数の国家安全を損なう犯罪に対して管轄権を行使する」と説明するが、「特定の状況」とは何を指すのか、そしてその「ごく少数」をいかに分別するのか、また「管轄権」とはいったい何なのかについては述べられていない。

また、国家安全関連の犯罪担当に任命される裁判官はいかなる条件で選抜されるのか、その裁判官と現行の裁判所のシステムにおける上下関係はいかなるものになるのか? さらに国家安全保護公署と香港警察との関係はどうなるのか? 中央政府が派遣する国家安全事務顧問はいかなる権力をもつのか? 香港政府と同顧問の上下関係は?