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自粛生活「することがないから、出生率が上がる」説の大間違い

むしろ少子化危機は加速する

和田アキ子の発言で注目

新型コロナウイルスが日本の少子化を加速することになりそうだ。経済的な影響はもとより、様々な要因が子どもを作ることに制約を加えてしまった。

歌手の和田アキ子が5月2日のラジオ放送「アッコのいいかげんに1000回」(ニッポン放送)で、「来年は子供増えるんじゃない? だって、することないでしょ。出生率が高そうな気がする」と発言したことが、大きな反響を呼んだ。

SNS上では、「あまりにもノンキな発言」「休業や仕事を失うなど、生活が苦しくなっている人がたくさんいる。これから先、不安で仕方がないのに子どもを作ることなどできない」「一般の人と感覚が乖離しているのではないか」といった批判的な声も多く聞かれた。

こうした「家にいることを余儀なくされる状況」で子どもが増えるのではないか、といった言説は、有事の際にはしばしば出てくる。例えば1965年11月9日にアメリカとカナダで発生した大停電(ニューヨーク大停電)でも、その後、子どもが多く生まれたのはこの停電によるものだったのではないかと言われた。

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今回の新型コロナでも、“巣ごもり生活” で出生率が上がる、とする言説を少なからず見かける。中には、「ベビー用品が不足する」「産婦人科が足りなくなる」といった、不安を煽るようなものまである。

しかし、本当にそうだろうか。ニューヨーク大停電はすでに半世紀以上も前の出来事で、社会環境がまったく違う。子どもを産む環境も違えば、子育ての環境も違い、子どもを持つことの経済的負担も違う。単に、巣ごもり生活が続くことが子どもを作る理由になるとは思えない。