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北朝鮮の女帝・金与正の「したたかな素顔」…韓国の挑発に動いたワケ

なぜこのタイミングなのか

北朝鮮が動き始めた

北朝鮮は16日午後2時50分ごろ、南西部・開城工業団地内の南北共同連絡事務所を爆破した。

この日の早朝、朝鮮中央通信は、軍総参謀部の立場表明を報じる形で、「朝鮮人民軍は2018年9月の南北首脳会談の際に締結された南北軍事合意によって非武装化された地域に再び進出する」と報じている。

この中で、総参謀部は、非武装地帯に再度軍隊を送り、前線を要塞化して韓国に対する軍事的警戒を強める措置を取るよう「朝鮮労働党統一戦線部などから意見があった」と明らかにしていた。

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この統一戦線部とは、対南工作などを担当する情報部門における党の最高機関であり、現在のトップは金正恩(キム・ジョンウン)委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第一副部長と見られている。つまり、韓国に対するこの措置は、金正恩の意向を受けた金与正が出した指示だということだ。

実際に、これに先立つ13日に彼女は談話を発表し、「金正恩委員長と党、国家から付与された権限にのっとって」と、自分にその権限が与えられたことを明確に示したうえで、「次回の敵対行動の行使権を軍総参謀部に与えることにする」、「南北共同事務所は、遠からず跡形もなく崩されるであろう」などと予告していた。

それにしても、6月10日の拙稿「コロナ禍のなか、米中はすでに『新たな戦争』に突入している」で述べたように、米中の関係が悪化してこの影響が北朝鮮にも及んでいるこの時期に、なぜ北朝鮮が韓国に対してこのような敵対行動を取り始めるようになったのであろうか。

この切っ掛けとなったのは、韓国の脱北者団体が北朝鮮の体制を批判するビラを配布している問題である。