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# パワハラ

テレワークでも要注意!知っておきたい「パワハラ防止法」の中身とは?

「平社員」でも無縁ではない

今月から施行された、通称「パワハラ防止法」。大手人材企業のエン・ジャパンの調査によれば、76%の回答者がその存在を知っているというくらい、関心は高い。
*参考:ミドル2,000人に聞く「パワハラ防止法」意識調査

新型コロナの影響により、テレワークなど新しい働き方が導入される中で、何が実際の「パワハラ」にあたるのか、気になる方も多いだろう。
企業はどのような対策が必要になるのか、労働者は改めてどんな言動に注意すればいいのか、社会保険労務士の佐藤敦規氏が解説する。

パワハラを禁止する法律ではない

パワーハラスメント(以下パワハラ)防止法は、パワハラの基準を定めることで、具体的な防止措置を企業に義務化することを目的に作られた。正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」。労働施策総合推進法などと呼ばれている。

厚生労働省が作成した指針(事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針)には、具体的なパワハラの防止措置として次の3つが記されている。

1.「職場におけるパワハラに関する方針」を明確化し労働者への周知、啓発を行う
2.労働者からの苦情を含む相談に応じ、適切な対策を講じるために必要な体制を整備する
3.職場におけるパワハラの相談を受けた場合、事実関係の迅速かつ正確な確認と適正な対処を行う

職場におけるパワハラそのものを禁止したわけではなく、その対策を講じることを義務つけたということである。

 

パワハラの定義が明確になった

今までもパワハラに関する対策をとる会社はあったが、何がパワハラに該当するかが定まっていなかった。同じハラスメントであるセクハラと比べて、パワハラは、上司から部下への指導との区分けが難しい。

業績がよい管理者などは、パワハラに該当するような行為があっても黙認していた企業もあるであろう。パワハラの定義を明確にすることによって行き過ぎた管理者の指導を抑制できる効果がある。

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職場におけるパワハラとは、1.優越的な関係を背景とした言動、2.業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動、3.労働者の就業環境が害されるものーーこれらの3つの条件が全てそろった場合、パワハラとみなされることになった。

客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲だと判断される適正な業務指示、指導はパワハラには該当しない。営業成績が振るわない部下に対して、注意し行動の改善を促すのは問題ない。

ただし「契約が貰えるまで事務所に戻ってくるな!」「その成績で土日に休むなんていい身分だな。出社するだろ」と叱責し、休日出勤を促すのはパワハラに該当する可能性が高い。