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野村克也氏が証明した「リーダーの評価は、何を残すかで決まる」

ノムさん最後のメッセージ(5)
野村 克也 プロフィール

選手の個性を最高に輝かせる

人材の適性、力量を見抜き、最もふさわしいポジションに配する。これは野球における監督の大きな役割のひとつである。私の考える、監督がなすべき一番大切なことは「見つける、育てる、生かす」である。

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野球という競技はとてもよくできていて、9つのポジションそれぞれに適性があり、各ポジションに最もふさわしい人材を適材適所で配置できているチームが、最高の強さを発揮できるようになっている。

その選手の長所・適性を見つけ、心技体を育て、最大の力が発揮できるポジションに配してその選手を生かす。9人の選手それぞれが配されたポジションで生き生きと活躍してくれれば、それは「×9」以上の力を生み出すことを私は知っている。

そして長いシーズンを乗り切り、最後の日本シリーズを制し日本一の称号を勝ち取るには、そういった9人の相乗効果によってもたらされるプラスαの力が絶対に必要なのだ。

 

ヤクルトで監督をしていた時代に「適材適所」で最も輝いてくれたのは、トップバッターとして活躍したセンターの飯田哲也である。

私が監督に就任したばかりのキャンプで、彼はキャッチャーをしていた。だが、走らせると、とても足が速い。そこで私は、「その足の速さがありながらなぜキャッチャーをやっているのか」と飯田に問うと、彼は「高校時代からやっているので」と答えた。