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野村克也氏が証明した「リーダーの評価は、何を残すかで決まる」

ノムさん最後のメッセージ(5)
今年2月、惜しまれつつ亡くなった、プロ野球史に輝く名将・野村克也氏。『上達の技法』は、弱小球団を何度も勝利に導いてきた氏の「最後のメッセージ」が詰まった一冊だ。監督時代、「人間は何を残すかで評価が決まる」と考えていた野村氏。リーダーたるもの、一体何を残すべきなのか? ビジネスパーソンも知っておくべき、「一流のリーダーの条件」に迫る。

一流のリーダーの条件

思考と行動は繋がっている。グラウンドで正しいプレーをするには、正しい野球を学ばなければならない。そこで私は、ミーティングで私の野球に対する考え方を選手たちに毎日伝え続けた。

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私が監督を務めた4球団のうち、一番ミーティングをしたのはヤクルト時代である。

私は常々「一年の計はキャンプにあり」と言い続けてきたが、当時のヤクルトはユマで春季キャンプを張っており、この環境がチームにとってはとてもよかった。

アメリカ・アリゾナ州にあるユマは、日本で言うところの「田舎町」である。夜に遊ぶようなところはまったくない。日中は野球漬けとなり、夜は寝るだけ。監督としての私の考えを選手たちに教え込むには最高の環境だった。

1980年、西武ライオンズでプロ野球を引退し、その後1990年にヤクルトの監督になるまでの間、私はテレビやラジオ中継の解説や講演といった仕事をこなしつつ、様々な本を読み漁り、自分の中に知識や情報を蓄えていった。そこで得た知識は、ミーティングをする上では大いに役立った。

 

そしてその浪人時代、私が講演でよく述べていた言葉がある。それは、「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上」というものである。

わかりやすく解説すれば、「ひとつの仕事をして金を残すのは三流、名を残すのは二流、人を残すのが一流である」という意味だ。