アパレル「大量の売れ残り」はどこへ消えるのか…その意外すぎる「現実」

もはや「正価」販売は風前の灯へ
小島 健輔 プロフィール

二次流通業者が引き取った在庫は、ブランド側の希望でタグや値札を切り取ったり(付け替える場合もあるが作業賃が高くつく)、あるいは来シーズンまで寝かせてから、販路を海外やローカルに限定して再販される

国内ではディスカウントストアやホームセンターなどが主な再販先だが、最近はブランド再販専門のオフプライスストアも台頭し、地方百貨店などが催事用に仕入れるケースも増えている。どれだけ値引きされても、これらは未使用の「旧新品」であり、仕入れや販売に古物商免許を要する「中古品」とは異なる。

それでも行き場がなくなった「旧新品」や傷んで転売が難しくなった「中古品」は中古衣料として主にマレーシアなどのアジアに輸出され、多くはウエス(手入れ用の雑巾)になったり繊維原料として分別再生される。その価格は19年で1kgわずか39.8円だった。

 

アパレルの在庫はどこに積まれているのか

一般の消費者がアパレル商品を購入するのは店舗かECだが、店舗に積まれているのは在庫の一部でしかない。国内の倉庫や海外生産地の倉庫にも大量の在庫が積まれているのだ。

「無印良品」の良品計画は決算説明のデータブックで在庫の置き場所を開示しているが、直近20年2月期の単体決算では店舗に33%、倉庫に67%だった。連結決算では棚卸し在庫が1.92倍に増えるが、海外売上に見合う分を差し引いて生産子会社が国内向けに抱えている在庫を算出すると1.40倍になる。

無印良品は在庫の置き場を開示している photo/gettyimages

ゆえに日本国内向け在庫の配備は店舗に23.6%、国内倉庫に47.9%、生産地倉庫に28.5%と算出できる。

国内ユニクロは18年8月期で店舗に41.4%、国内倉庫に58.6%のバランスで配備していたと推計されるが、良品計画と同じ生産地在庫比率と仮定すれば、店舗に29.6%、国内倉庫に41.9%、生産地倉庫に28.5%と推計できる。