アパレル「大量の売れ残り」はどこへ消えるのか…その意外すぎる「現実」

もはや「正価」販売は風前の灯へ
小島 健輔 プロフィール

低コストを求めての海外シフトは生産ロットを拡大させ、アパレルの供給量は年々増えて00年には23億500万点と20億点の大台を超えたが、消費数量は12億5300万点に留まって消化率は54.3%に急落。以降も供給数量は増え続けたが消費数量は伸びず、2015年以降は過半が売れ残る異常事態が定着している

90年から19年まで消費数量は19%しか伸びなかったのに業界の供給数量は138%(2.38倍)も増えたのだから、過半が売れ残るのは必定だった。

どうしてそんな無茶が続けられたのか幾つも要因が挙げられるが、値引きロスや売れ残りが増えた分、利益を確保するため生産原価率を切り下げてきたことは間違いない。SPAと言われる業界で7掛け弱、百貨店アパレルでは半分近くまで切り下げられたのだから、お買い得感が損なわれ、ますます売れ残るという泥沼に陥ったのも必然だった。

 

売れ残り在庫はどこに行ったのか

では売れ残った大量の在庫(19年の場合14億7300万点)はどこに行ったのだろうか。

一般には廃棄処分や中古衣料としての捨て値輸出が注目されるが、それは最終的な処分だ。

売れ残り在庫はまず、持ち越して来シーズンに販売されることが多い。