6月23日 日本の選挙で初めて電子投票が可能に(2002年)

科学 今日はこんな日

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2002年の今日、岡山県新見市で市長選挙と市議選挙が実施されました。この選挙は電子投票が導入されており、日本で初めて電子投票が可能になった選挙だったのです。

新見駅 Photo by PhotoAC

一般的な選挙が配られた投票用紙に直筆で候補者や政党の名前を書く「記号式」であるのに対し、電子投票では電子投票機のパネルをタッチすることで投票ができます。電磁記録投票法に基づいて地方自治体が条例を設けることにより、投票所と期日前投票所での投票をこの方式にすることが可能になります。

電子投票のメリットとして、文字を書くことが困難な方も投票が可能であること、無効票や按分(票数の折半)が発生しないことが挙げられます。そして最大の利点は、役所の職員の方々が開票作業に追われないことでしょう。

実際にこのときの選挙では、前回選挙時の開票時間が4時間25分であったのに対し、電子投票の開票はたったの25分で完了しました。その後いくつかの地方自治体が選挙に電子投票を導入しましたが、いずれも開票時間の大幅な短縮に成功しています。

しかし、電子投票の導入はリスクもはらんでいます。

 

その最もたる例が2003年7月に実施された岐阜県可児市の市議選挙です。この選挙では、サーバーのオーバーヒートのため、最長で1時間半ほど投票が不可能な事態に陥りました。さらに投票機の開発会社が派遣した職員が操作を誤り、投票総数が投票者数を上回る事態になったのです。そのため住民から選挙無効の申出があり、名古屋高裁で選挙無効の判決が下りました。

こうしたトラブルの影響もあり、2000年代後半の国会では国政選挙にも電子投票を導入する動きがありましたが実現しませんでした。また投票機のコストの問題もあり、新見市を含むほとんどの地方自治体は、電子投票を可能にする条例を凍結しています。

しかし、青森県の六戸町だけは条例を維持し、機材が確保できなくなった2018年まで電子投票を続けました。

六戸町の例からわかるように、技術的には電子投票がまったく不可能というわけではありません。今後、総務省が定める計97項目もの条件をクリアする機材が多く現れれば、将来的には電子投票が当たり前の時代がやってくるかもしれません。