森田太郎さんが講師をつとめる探究学舎(東京都三鷹市/代表・宝槻泰伸さん)は、4月頭から完全オンライン化を成し遂げた。「子どもの好奇心に火をつける」をモットーとする同校が、大手名門塾や学校が揃って頭を悩ませる「オンラインで双方向のコミュニケーション」を実現させ、1000人を超える子どもたちから応募が殺到するほどの人気となった。

即座にオンラインでの双方向授業を開始し、話題となった探究学舎の授業風景 写真提供/探究学舎

13年間公立小学校の教師をつとめ、型破り教師として有名だった森田さんは、いまこそその探究学舎に転職して活躍しているが、実は小・中学生時代は宿題をやったことがない「落ちこぼれ」だった。一念発起して受けた大学入試の共通テストでは200点満点で24点だったという。「落ちこぼれ」から大学受験をしようとするまでになり、そして今に至るには、「寄り添う大人」の大きな存在があった。

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コロナとの付き合いは長くなる

コロナ自粛が解かれ学校が始まってから、よく尋ねられます。
「森田君、アフターコロナの教育ってどうなるの?」

コロナとの付き合いは長くなるでしょう。多くの専門家もそう断言しています。第2波、3波に備えなくてはいけない。それに加えて、また新たな感染症が出てくるかもしれません。であれば、学校は授業のオンライン化を推進し、オンラインでやりづらい体育や集団活動、行事などのオフラインとハイブリッド体制の教育を目指さなくてはなりません

今回の第1波で、大量のプリントを配るのみの公立学校が大半を占めました。2ヵ月もの長期間、学習内容がわからない子や課題を自分だけではできない子は置き去りにされたと思います。

次に緊急事態宣言が発せられても、同じことをするのか。それはあってはいけないと僕は思います。そのためにも、学校は前述したハイブリッド体制を目指してほしいのです。

ところが、こんな声も聞こえてきます。
「オンラインの条件ばかりが整っても、子どもは育てられない」
「教室で顔を合わせていても授業を理解できない子に、オンラインでわかるわけがない」

では、オフラインの一斉授業で、全員の子どもが授業を理解しているでしょうか。例えば5年生の算数で割合の授業をしても、3年生の時点で割り算につまづいている子にはちんぷんかんぷんな世界です。わからないけど、机に座っていないと叱られるので、子どもはわからなくても我慢しています。すごく苦痛だと思います。

わからないので、自ら学ぼうという気になれません。意欲が育っていない段階で詰め込むと、勉強嫌いと学校嫌いを量産するだけ。この子たちは3年生の学習をやり直したほうがいいのです。逆に、ついて来られる子は、ほっておいても自ら学びを進めます。つまり自走できます。そういう子はどんどん先を行けばいい。
つまりは「個別最適化」です。個々にデジタル端末が渡っていれば、それが可能です。教師もそこに寄り添えます。