ニャンちゅうなどで人気の声優津久井教生さんが、難病ALSに罹患していることを公表したのは、2019年10月1日のこと。同年3月に足がもつれて転び、徐々に歩けなくなって検査入院、その原因がわかったのは半年後、2019年9月でした。大々的に公表する前に、仕事の相手や仲間にどうやって伝えていったのか。津久井さんの連載「ALSと生きる」第5回目は仕事先や仲間の方々に伝えた時のことを綴っていただきます。

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退院して日常を始めるために

退院する当日まで、私がALSに罹患したことを知っている人は、病院の方々と私達家族以外にいませんでした。という事はここから「周囲の人たちに認知してもらう」という作業に入るわけです。

検査入院のときには心配する漫画家の方々からも激励の色紙が 写真提供/津久井教生

その前に病院からの紹介や説明を受け、行政機関に申請して認定してもらう事を早くやることが大切だとわかりました。なぜかというと申請が受理されると、施行されるのが申請日までさかのぼることが多いからです。

「要介護認定申請」と「指定難病申請」は診断が出たらすぐに申請した方が良いと思います。さかのぼって医療費などを申請できる場合があるのです。ただ残念ながら検査入院の費用は診断前なので申請することはできません。

つまり、病名が診断されないと様々な補助が全く受けられないという事になります。言い換えれば、検査入院で名無しの権兵衛の病気からALS(筋萎縮性側索硬化症)という診断がおりたことによって、介護補助面や金銭面で前に進めたと言えるのです。

「指定難病申請」は居住地域の保健所、「要介護認定申請」は地域包括支援センターか居宅介護支援事業所に連絡して担当の方とお話して申請します。私の場合は入り口で地域包括支援センターの方とお話した際に、ALSという難病であることと、すでに杖が無ければ歩行が不可能だったことを鑑みて、居宅介護支援事業所を紹介してもらい、「要介護1」に該当するのではないかという申請を出してもらいました。後日認定審査を受けるのですが、申請した日から施行になるので、素早い対応にかみさんと感謝したのでした。

津久井さん、現時点で申請できるものは全部しちゃいましょう♪

明るくこう言ってもらう、夫婦で肩の荷がおりました。

「居宅介護支援契約」を交わした居宅介護支援事業所のベテランの担当の方は、ALSの患者さんも担当したことがある方でした。「居宅サービス計画書」をもとに介護用品の業者さんや次に何をすると良いのかをドンドンと提案してくださったので安心してお任せしてしまいました。