米国デモ・暴動が結局「トランプ再選」をサポートするという現実

たとえばテロでイスラム差別は消えたか
大原 浩 プロフィール

イスラムが差別的扱いを受けてきたのは事実だが

欧米のイスラムへの差別は、奴隷制度などの黒人差別の歴史よりもはるかに根が深い。何しろ、少なくとも1096年に始まった第1回十字軍にまで遡るのだ。

現代でも、ジョージ・ブッシュ(ジュニア)大統領の「この十字軍、このテロとの戦いは、すでに始まっている」という、テロとの戦いを十字軍に例えた失言は全世界のイスラムを激怒させた。

欧米文化の影響の強い日本では「十字軍」をまるで聖戦かのように扱うが、実際には女性や子供などの非戦闘員を含む推定2000万人を殺害した「大虐殺」なのである。だから、イスラムの怒りはもっともだ。

また、1963年にはEUの前身であるEEC(欧州経済共同体)への加盟を申請しているトルコは、半世紀以上たった現在でも加盟が認められていない。

東欧を始めとするトルコより(経済・社会的)問題の多い国々が後から申請して、承認されていることを考えればキリスト教社会である欧州(EU)のイスラムの教えを守る国家に対する差別だと考えざるを得ない(かつてのオスマントルコが欧州の脅威であったことも影響しているであろうが……)。

また後ウマイヤ朝は、イベリア半島に興ったウマイヤ 朝の再興王朝で756年から1031年まで、この地はイスラム支配であった。しかし、スペイン人たちはこの歴史を闇に葬ろうとしている。

さらにフランスでは、2004年に制定された公立学校におけるヒジャーブ(スカーフ)禁止の法律に続き、2011年に公共の場で顔を覆うものを着用することを禁止する法律が施行されている。

公立学校や公共の場での十字架ペンダントの着用が禁止されていないのであるから、これは紛れもない差別である。

 

したがって、9.11テロを引き起こしたアルカイダや自爆テロを起こしている過激なグループが「大義はイスラムにある」と信じ込んでいても不思議ではない。