4姉妹それぞれの「愛」の形

このような19世紀アメリカにおいて、女性にとって不自由な状況にありながら、ジョーたち4姉妹は「自分らしい装い」をしていることにも、非常に好感が持てます。

本作品において、衣装を手掛けたデュランは、姉妹が求めるそれぞれの愛を明確なカラーパレットで表現しています。

■ジョー(次女):燃えるような赤
幼馴染のローリーと、とても純粋でプラトニックな恋愛をします。しかし、ジョーにとって小説家になることが全て。彼のプロポーズを断ることで、孤独の意味を知ります。

「ジョーはおてんば。彼女は男の子のような自由さを求めていて、ローリーのようになりたくて洋服を交換し合うくらい。彼女はいつも強い色を着ていて、赤ではない時は、深いインディゴブルーや何か目立つ色を着ている」(デュラン)

■メグ(長女):ロマンチックなライラックと緑のグラデーション
メグが望むのは家庭教師のジョン・ブルックとの幸せな結婚です。フェミニストとしても知られるエマ・ワトソンが演じたことも話題に。ワトソンは、次のように述べています。

「メグを演じる上で重要だったのは、彼女が母親や妻になりたいという願望は、フェミニストとしての選択だったということ」

メグを演じたエマ・ワトソン(『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』)

■ベス(三女):優しいピンク
ベスは姉妹の中で一番内向的で繊細ですが、静かなエネルギーとパワーを持っています。

■エイミー(四女):フレッシュなトーンの水色
ジョーとケンカの絶えないエイミーは、ジョーのことを好きなローリーに恋をします。お金持ちになることを夢見ているけれど、芸術家になりたいという夢も抱いています。

メグとエイミーはコルセットとクリノリンをつけていますが、病気がちなベスは子ども服のような身体を締め付けないドレスを着用しています。コルセットを着用しないジョーは、よりモダンでリラックス感のある装いとなっています。

本作は姉妹のそれぞれの生き方を通して、自分らしさというものがいかに複雑なのかを丁寧に描いています。そして、世界の中で自分らしい生き方を見つけるために、愛情によって人と人とが関わり合うことが、大きな原動力になることに気づかせてくれます。