ジョーとオルコット、異なる選択

オルコットは、1832年に現在のペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれ、1844年に一家でボストンに移住します。1848年、ニューヨーク州セネカフォールズで女性の権利獲得の会議が開かれたのをきっかけに、アメリカの女性運動が始まりますが、女性の参政権が認められたのは1920年でした。

女性には参政権がなかった時代、不朽の名作は男性のみが書くもので、女性作家はまだ少なく、執筆の機会は限られていました。オルコットが17歳のとき、処女作『花のおとぎ話』が出版されましたが、経済的な理由から、教師、針子、家庭教師として働かなくてはなりませんでした。

ルイーザ・メイ・オルコット(1832-1888

ジョーはオルコットが作り上げた『若草物語』というフィクションのキャラクターですが、オルコット自身ととてもよく似ています。しかし、結婚についてはジョーとは異なる選択をし、名声を得た後も独身を貫きました。

映画のなかで、「女の幸せが結婚だけなんておかしい。絶対に間違っている!でも…どうしようもなく孤独なの」と感情を爆発させるジョーに対して、母親のマーミーは「あなたらしく生きればいいのよ」と語りかけます。

ジョーをはじめ、4姉妹の生き方、そしてオルコットの生き方…どれが幸せか、などは決して示されません。彼女たちがそれぞれ自分らしい愛を求めていく姿から、「自分らしく生きること」とは何か、改めて考えさせられます。