出版社が「ジョーは結婚しなくてはいけない」と言った

6月12日(金)より全国公開となった映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、動員、興行収入ともに全国劇場再開後の新作で堂々の初登場<第1位>を獲得し、好調な滑り出しとなりました。ソーシャルディスタンスをとり各劇場座席数を減らしての興行でしたが、4姉妹の物語が中心の映画ということもあって、女性を中心に20~50代幅広い年齢層から支持されているようです。

原作は19世紀を代表する女性作家、ルイーザ・メイ・オルコットの自伝的小説『若草物語』。原題は『Little Women』で、オルコットの父親は娘たちを幼い少女という意味合いのDaughtersやGirlsではなく、一人の立派な女性という意味合いでLittle Womenと呼んでいたといいます。1868年に出版されるとまたたく間にベストセラーとなりました。過去に何度も映画化されており、1933年の作品ではキャサリーン・ヘップバーンがジョーを、1949年の作品ではエリザベス・テイラーがエイミーを、1994年の作品ではウィノナ・ライダーがジョーを演じています。

ジョーを演じたシアーシャ・ローナン。26歳にしてすでにアカデミー賞に4度もノミネートされている(『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』)

本作は『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』というタイトルが示すように、これまで映画化された『若草物語』と違って、原作者ルイーザ・メイ・オルコットの自伝的要素が強くなっています。ハリウッドの新しいカリスマとして注目されるグレタ・ガーウィグ監督は、主人公のジョー・マーチ(シアーシャ・ローナン)と原作者のルイーザ・メイ・オルコットの人生を重ね合わせ、2020年のわたしたちにも極めて近い物語として描いています。

ガーウィグ監督は次のように述べています。

「ジョーが私の少女時代のヒーローだとしたら、ルイーザ・メイ・オルコットは大人になってからの私のヒーローね。オルコットは、ジョーを結婚させたくなかったけど、出版社がジョーは結婚しなくてはいけないと言ったから結婚させた。彼女がこんなことを書いた手紙があるの。「腹いせにジョーはおかしくした」って。だから、エンディングは彼女が望む通りにしたかったの」