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+50ヤード! ゴルフスイングを格上げする「地面反力」とは何か?

集中連載「科学的ゴルフ上達法」第2回

累計9万部突破の大ベストセラー『世界標準のスイングが身につく科学的ゴルフ上達法』シリーズに、待望の「実践編」が登場しました!

刊行を記念して、著者である板橋繁コーチに特別インタビューを敢行。

第2回のテーマは、名だたるトッププロたちが実践している最新の「ダウンスイング」。「より遠くへ」「より真っすぐ」飛ばすための「スイングの土台」とは?

その基礎となる重要要素を、最先端のスイング理論に基づいて徹底解説します!

(取材・文/水品 壽孝)

飛距離を伸ばすカギは「ニュートン力学」にあり!

ここ数年、ゴルフスイングのメカニズムにおいて注目されているキーワードがある。

──地面反力(垂直抗力)だ。

「地面反力」とは、足で地面を踏んだときに返ってくる力のことで、「床反力」ともよばれている。

「2つの物体が互いに力を及ぼし合うとき、それらの力は向きが反対で大きさは等しい」──ニュートン力学の運動の第三法則、いわゆる「作用‐反作用の法則」でいえば、地面からの「反作用」のことだ。

【図】地面反力
  足で地面を踏んだとき、地面から返ってくる力を「地面反力」という figure by bluebacks

この「地面反力」を有効に使い、スイングにパワーを生み出すことによって、ボールを「より遠く」に飛ばすことができるといわれている。板橋氏のレッスンを受けたシニアゴルファーのなかにも、50ヤード以上、飛距離を伸ばした人がたくさんいるという。

「地面反力」というと、かつてのタイガー・ウッズのように、インパクトで地面を蹴って、伸び上がるようなスイングを想像しがちだが、板橋氏の提唱する「G1メソッド」のスイングには、そのような動作はまったく見受けられない。

しかし、「G1メソッドのスイングにも『地面反力』は欠かせない要素」だと、板橋氏は力説する。

では、G1メソッドでは、どのように「地面反力」を活用しているのか? 板橋氏に解説してもらおう。

「スイングの回転力」を高めるには

前回の記事では、ひと昔前は、左肩を開かずに左腰をスライドさせ、左足外側の垂線上まで押し込むバンプ打法が全盛だったことを説明した。

しかし、現在の潮流はまったく異なる。

「いま、世界のゴルフ界をリードするトッププロたちのスタンダードになっているのは、左腰をスライドさせるのではなく、体の右サイドを側屈(そっくつ)させるスイングです。

バックスイングでは、弓矢を引くときのように右のお尻を後方に引き、右肩が頭の後ろに隠れるぐらい上体をねじる。ダウンスイングに入ると、右足の母趾球(ぼしきゅう)とかかとで地面をわしづかみにしながら右のお尻を真下に押し込み、左脚の股関節を切り上げます。

すると、右ひざの上にあごが少し沈み込み、体の右サイドが側屈します」(板橋氏)

【写真】ダウンスイング

このように、ダウンスイングで右のお尻を真下に沈み込ませる動作を、「シッティングダウン」とよぶ。そして、この「シッティングダウン」の動きによって、大きな「地面反力」が発生するのだという。

板橋氏が力を込めて断言する。

「『地面反力』を使って、とんでもない回転力をつくり出すのが、現在の世界標準となっているゴルフスイングなのです」

なるほど、現在の世界的スタンダードとなっているゴルフスイングでは、地面を蹴ることでボールにパワーを与えるのではなく、「地面反力」を使って回転力を生み出しているというわけだ。

しかし、前述したとおり、地面反力とは地面から受ける”垂直”抗力であり、地面に対して横方向に働く力ではない。地面に対して垂直に働く力である地面反力を、どのようにして回転力に変換しているのか?