現在外資系投資会社に勤務する川村真木子さんは、UCバークレーを卒業後、長く外資系投資銀行でマネージングディレクターとして活躍してきた「バリキャリ金融女子」。現在高校生のお嬢さんがいるワーキングマザーでもある。

政治から社会、スポーツに生活まで本音を鋭く語る「長文社会派インスタ」が人気の川村さんが、『未来の年表』の著者で、『「2020」後―新しい日本の話をしよう』を刊行された河合雅司さんに話を伺った。その話を受けて川村真木子さんが感じたことをお伝えしていく第1弾は「過剰サービス」について綴ってもらったが、今回は川村さん自身の実体験を踏まえ、「女性の就労」について考察してもらう。

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河合氏が語る「日本の性差別と女性就労」

まだコロナがここまで猛威を振るわなかったころ、『未来の年表』の著者、河合雅司氏にお話を伺う機会があった。個人的にとても気になるテーマとして「人口減少時代の女性の活躍」についてお伺いしてみた。河合氏は働き手としての女性活用の需要は高まるとしたうえで、根本的な問題として女性たちが能力に見合った仕事を社会規範が許しているのか?という問題点を挙げられていて、興味深く伺った。

河合氏は「性別や年齢にかかわらず能力を持った人がきちんと評価されなければならないが、日本には性差別が残っていて、女性というだけでチャンスがないとか正当な評価をされないといったハードルがある」とし、「もしそれが続くのであれば女性側のモチベーションが下がってしまい、最終的には働く人口の減少に繋がってしまう」と仰っていて印象的だった。

「プレゼンは若くてもいいから
男性にしてほしい」

個人的にも女性というだけでチャンスが貰えない例は沢山見てきた。何年も前の話にはなるが、私自身も顧客先で名刺を貰えず悔しい思いをしたことがある。当時勤めていた外資系投資銀行では「男女差別は全くない前提」で物事が進められており、当時私は数人の部下を抱える部長という立場で某クライアント先を訪問した。その時の訪問者の中で私は唯一の女性だったが、最もシニアな人間として訪問した。

にもかかわらず、私だけ先方の名刺を貰えなかったのだ。当然ながら、私からは名刺をお渡ししている。ちなみに先方はご引退直前の高齢の方で、その方を責める気にもなれなかったが、私はとても傷ついてしまった。そして部下の前で自分だけ名刺を貰えなかったことがとても恥ずかしかった。

名刺を切らしてしまったとか、持ち合わせていないのならまだわかる。そうではなく、名刺を渡しても自分だけ貰えないというのは、明らかな「線引き」を感じてしまうだろう Photo by iStock

投資銀行時代は、こんなこともあった。某クライアントの担当窓口の方に先方の経営会議で、金融商品をプレゼンして欲しいとの依頼をいただいた。その担当窓口の方とは取引関係もあり、数年間で築いた信頼関係もあり、経営会議でのプレゼンの機会をいただけたときは、飛び上がりそうになるほど嬉しかった。「このプレゼンを成功させたら大きな案件に繋がるかも知れない」私はワクワクしていた。しかし、クライアントから出てきた次の言葉は「プレゼンをする人は、出来れば女性ではない方がいい。川村さんには申し訳ないのだけど、若い人でも構わないから男性にして欲しい」窓口担当の方も本当に申し訳なさそうだったけど「その方が案件が通りやすいから、結果として川村さんにも良いはず」と付け加えた。

私もその現実を理解はしたので、フルスピードで男性の同僚にプレゼンを頼み、無事案件は成立した。でも、この一連の事件は私の中でトラウマとなる。日本社会ではやはり女性はまだまだ半人前と見られてしまうのか?名刺を貰えなかったり、前に出させて貰えなかったり。色々なシーンで「女性×ビジネス」の限界を感じ悶々としていた。