北朝鮮、金与正氏の「破壊予告」を実行…「爆破」に込めた計算と思惑

挑発はこれで終わりそうもない
牧野 愛博 プロフィール

北朝鮮が主に中国に頼る小麦粉や食用油などの価格は高騰し始めている。北朝鮮は混乱を避けるため、市場での価格統制を実施しているので、表面上の値段はあまり変動していない。だが、消費者の買いだめ心理を見越した商人は、市場では売らずに、自宅や倉庫の陰など当局の取り締まりが及ばない場所で、法外な値段をつけてこうした物資を売りさばいているという。

 

「外貨で国債購入」を国民に指示

中朝交易が滞っているため、外貨も稼げない。

北朝鮮は今春、2003年以来、17年ぶりに国債の発行に踏み切った。市民たちに主に外貨で国債を購入するよう指示しているという。

03年当時、国債を購入したという脱北者は「購入しなければ、忠誠心を疑われる。嫌でも購入しなければならない」と語る。当時は、年利が2~3%で10年後に現金と交換できるという話だった。1口あたり500ウォンで、労働党員は最低10口以上の購入を義務づけられた。ただ、誰も政府の言葉を信用していないため、この脱北者も10口購入したが、どうせ紙くずになると思って、すぐに捨てたという。

さらに北朝鮮当局は、コロナ対策で住民の隔離政策を推進している。地域間の自由な移動ができなくなり、市民生活に大きな影響が出ている。

こうした諸々の事情から、北朝鮮は何らかの挑発行動に出る必要に迫られていた。挑発によって、最高指導者の言葉に嘘偽りがないことを証明し、さらには市民の不満を外に向けて、国内の結束を図るつもりなのだ。

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