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北朝鮮、金与正氏の「破壊予告」を実行…「爆破」に込めた計算と思惑

挑発はこれで終わりそうもない

南北軍事合意は崩壊した

北朝鮮は16日午後2時49分、南北軍事境界線に近い同国の開城(ケソン)にある南北共同連絡事務所を突如、爆破した。軍事境界線近くの韓国側地域でも爆発音が聞こえ、煙が高く立ち上る様子が確認された。

事務所は2018年4月の南北首脳会談合意に基づき、同年9月に開城工業団地内でオープンしていた。金正恩朝鮮労働党委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン)党第一副部長は、13日付の談話で「遠からず北南(南北)共同連絡事務所が跡形もなく崩れる光景を目にするだろう」と予告していた。

北朝鮮の一連の動きは、南北軍事境界線近くでの一切の挑発行為を禁じた、2018年9月の南北軍事合意の崩壊を意味する。

朝鮮中央通信も16日、南北事務所爆破について「(人間の)くずとこれを黙認した者の罪の代価を受け取るという怒った民心に呼応して、北南間の全ての通信連絡線を遮断したのに続き、わが方当該部門では開城工業地区にあった北南共同連絡事務所を完全破壊する措置を実行した。16日午後2時50分、大きな爆音と共に、北南共同連絡事務所が悲惨に破壊された」と発表した。

今回爆破されたとみられる南北共同連絡事務所(Photo by gettyimages)
 

北朝鮮は今回の行動について、韓国の脱北者が5月30日に、金正恩氏を非難するビラ50万枚を風船につけて北朝鮮に飛ばしたことが原因だとしてきた。金与正氏は6月4日付の談話で「相応の措置を取らないなら、それが金剛山観光の廃止に続いて開城工業地区の完全撤去になるか、北南共同連絡事務所の閉鎖になるか、北南軍事合意の破棄になるか十分に覚悟すべきだ」とも警告していた。

だが、予兆はさらに1ヵ月前から出ていた。