日本人は知らない…中国の「990万人コロナ検査」で見えたヤバい事実

人だけじゃなく「モノ」まで検査され…
富坂 聰 プロフィール

武漢市当局は、この300人と濃厚接触があったと考えられる人々を追跡していて、その数は1174人にのぼった。

6月に武漢の大学で行われた抗体検査〔PHOTO〕Gettyimages
 

マスクや歯ブラシまで検査された

興味深かったのは、衛生当局が新たに見つかった無症状感染者の生活に入り込み、ウイルスがどのように周りに広がっているのか、徹底して調べている点だ。手法はサンプル調査だ。

サンプルの対象はマスク、コップ、歯ブラシ、スマートフォン、床、家具、ドアノブ、トイレ、排水溝といった身の回りの品から、感染者が利用するエレベーターのボタン、共有スペースに置かれた物や通路からも採られた。検査されたサンプルは3343にも及んだが、驚いたことにそのすべてが「陰性」と判断されたことだ。

家具や床、ドアノブやエレベーターのボタンはまだしも、マスクや歯ブラシまでが陰性であれば、隠れた無症状感染者がいても希望の持てる話だ。とりわけコロナ禍以前の日常を取り戻そうとする過程では、人々は大きなプレッシャーから解放される。

また、これとは別に武漢市疾病コントロールセンター(CDC)は都市を対象とした調査も実行。水道水、生活汚水、タクシー、路線バス、地下鉄の駅や車輛、ショッピングモール、レストラン、公園などを無作為に選びサンプルを収集し検査したのだ。一部ペットも検査対象となりサンプル数は2314にも及んだ。だが、これも同じようにすべてが「陰性」と判明したのである。