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地味な食べ物「麦めし」が、健康ブームで「超ヒット商品」になっていた…!

仕掛け人の社長が「舞台裏」を明かす

真っ白な「銀シャリ」はほとんどが糖質。健康に気を使う人が増えた近年、他の栄養素を豊富に含む「雑穀ごはん」への注目が高まっている。

とりわけ、食物繊維を豊富に含む大麦の一種「もち麦」は、糖質の吸収を抑え、腸内環境も整えるなど様々な働きを持ち、人気が高い。ごはんに混ぜて気軽に炊ける「もち麦」や「十六穀ごはん」などを販売する山梨県の老舗、「はくばく」の長澤重俊社長(54歳)に話を聞いた。

「貧しい食」のイメージと戦う

ある意味、当社は大麦に対する情熱が強すぎたのだと思います。

1950年、大蔵大臣の答弁に「所得の少ない方は麦、多い方は米」という一節があり、国民は「貧乏人は麦を食えと言うのか」と反発しました。皆が白米に憧れる時代だったのです。

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ところが、山梨では「上京すると1年程で体調を崩し、帰郷すると元気になるのは麦飯のおかげでは?」と言われていました。確かにおかずが少ない時代に、白米だけだと、ビタミンB1不足で脚気になるなど様々な栄養素が不足します。

そんななか、精米事業を行っていた祖父・長澤重太郎は大麦の健康効果を確信し「麦を嫌々食べるようではいけない」と加工法の研究を始めました。そして、大麦の消費量は減り続けたにもかかわらず、大麦を食べやすく加工する研究と販売を続けたのです。

大麦の一種「もち麦」が、糖尿病の予防やダイエット等の効果があり、腸内環境まで改善すると明らかになり、全国でよく売れるようになったのは、ようやく孫の私の代になってからでした。