〔PHOTO〕沖田亮/CC BY-SA 4.0

「亀井善行・37歳」はいかにして巨人軍で生き残ったのか?

何度も挫折したが、決して諦めなかった

順風満帆ではなかったプロ野球人生

巨人の亀井善行は、7月で38歳になる。

開幕直前の練習試合では「5番左翼」や「1番左翼」で先発出場し、球団公式動画で「イケおじ!亀井善行」という映像が公開される。今季から中島宏之と並んでチーム最年長野手となったが、いまだに現役バリバリだ。

WBC第2回大会でハイタッチする亀井(左)と中島(右)〔PHOTO〕gettyimages
 

プロ野球選手の平均寿命は約9年、平均引退年齢は約28歳。1億円プレーヤーになれるのはおよそ10人に1人の狭き門。ちなみに亀井の今季推定年俸は1億1000万円である。彼は勝利のために絶えず補強を繰り返す巨人軍という環境の中でサバイバルし、生き残った。

だが、その男のプロ野球人生は決して順風満帆ではなかった。なにせプロ16年目、38歳での年俸1億円突破は球団史上最も遅い。上宮太子高、中央大とアマチュア時代から名の知られた選手だったが、ドラフト順位は2004年4巡目での入団である。つまり、巨人という球界屈指のエリート集団の中で、時間をかけて這い上がり、度重なる故障を乗り換え、30代中盤でレギュラーを再奪取して今がある。

プロ入り直後は、あの暗黒期と呼ばれた堀内監督時代、真っ只中だ。すでに松井秀喜がヤンキースへ去り、高橋由伸も徐々に怪我がちとなり、他球団からタフィ・ローズや小久保裕紀といった大砲タイプの大型補強を繰り返していたチームの迷走期である。

ちなみに05年には巨人戦ナイター中継のテレビ視聴率も急落し、各局が生中継を取り止め深夜の録画放送やCSテレビなどの中継に変更した。選手も世代交代中で、清原和博が死にたいくらいに憧れたジャイアンツから退団したのは、この05年オフのことだ。そういう状況でキャリアをスタートさせた亀井は、当時の巨人に少なかった「期待の生え抜き若手選手」として、ファンから未来を嘱望される存在だった。