ドイツ人が「おごる」時とは

「ふぅん。やっぱりドイツ人っておごらないんだ」

でもここで、そう早合点するのはちょっと待ってほしい。いくら別会計が多く、ケチ……いや倹約家といわれるドイツ人でも、ここぞというときはちゃんと金を払う。それは、自分が「ホスト(もてなし役)」になったときだ。

先日、夫の上司の誕生日パーティーにお呼ばれしたときのこと。会場である上司の自宅には、ビールやワインがうず高く積まれ、キッチンやダイニングテーブルには所狭しとさまざまな種類のおつまみが用意されていた。

さて、これはいったいだれが用意したのだろう。
はい、誕生日会の主役である上司です。

友人の誕生日会でもそうだったが、誕生日会は自分主催で行うことが多く、主役=ホストでもある。そのためホストはゲストをもてなすために、ありとあらゆる手を尽くすのだ。ゲストは手ぶらでOK、好きなだけ飲み食いして楽しめばいい。

わたしの結婚式でも、ゲスト全員の飲食費はわたしたちが負担した。義両親と食事をするときは、義父が全額支払ってくれる。ゼミの授業中に開催されたプチ親睦会での飲食物は教授が全部用意してくれていたし、引っ越してきたご近所さん主催の交流会ではお子さんがつくったというアップルパイをいただいた。

結婚式などのパーティで会費制はまれ。ホスト側がおもてなしをする、その意味合いが大きいのだ。結婚のご祝儀も日本とはだいぶ金額に差があり、お金ではなくプレゼントだったり、お金だとしてもそんなに高くないようだ Photo by iStock
-AD-

ホストになったら、ドイツ人はケチらずにお金と労力を使う。ゲストは「おいしい! ありがとう!」と素直に楽しめばいいのであって、「このワイン高かったでしょう」なんて言って20ユーロ渡すほうが無粋である。

そういう「おもてなし精神」は、倹約家であるドイツ人だってたっぷりもっているから、そのあたりは誤解のないようお伝えしたい(ただし市民クラブのイベントやBBQなど持ち寄り式の場合、代表者が買い出しに行って後からお金を払うこともある)。