多くの日本人に欠けている
「建設的な対話スキル」

さてさて。この「建設的な対話をしながら協力して物事を進めていく」というスキルは、これまで日本の一斉授業をベースとした公教育の中では育まれてきませんでした。これが、実は日本の教育の最大の問題点なのではないかと感じています。

でも、この問題はすでに皆さん気づいていらっしゃって、だからこそ、100年らいの改革とも言われる現在施行中の新指導要領の中でも、「対話」や「チームワーク」がちゃんと明記されて重視されているんです。この事実は、文部科学省が作成している指導要領を見ればわかるのですが、そんなのをチェックしている保護者はいないでしょう。私はスラッシュキャリア(複業)の一つで、教育の専門メディアである「教育新聞社」でライターの仕事をしているので知っていますが、そうでなければ知り得なかったと思います。

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私たち人間は全員、自分が受けてきた教育のアウトカム(成果物)ですから、これまでの教育の中で、「建設的な対話とは何か」「具体的にどんなことに気をつけてどんなコミュニケーションをとるべきか」を知らない大人が、日本には大勢います。言われたことに従順に従う姿勢も評価に値すると思いますが、色々考えて和を重視しようとした時に「沈黙してしまう」というのは、まさに「建設的な対話のスキル」が無いということに他ならないでしょう。

最近では、立教大学経営学部教授・中原淳先生が、「リモート会議にオンライン地蔵がいる」という話をblogに書かれていらっしゃって、大爆笑でした。中原先生は、リモート会議の方が発言権が得られにくいかもしれないという考察をされていますが、根本には、建設的な対話スキルを持たない大人が多いから、自分の意見を発言するよりは沈黙しておくという行動が選択されやすいという構造もあると感じます。

オンライン会議に参加しているだけの「オンライン地蔵」とはなるほど!(写真は長谷寺のお地蔵様です)Photo by iStock 

大人でもそうなんです。学校教育のICT化が進んで、40人1クラスの教室の中で手をあげて発言という状態よりも、タブレットのチャットに書き込むみたいな感じで格段にコミュニケーションの敷居が下がったとしても、オンライン地蔵化しちゃう子供もいるんでしょうね。