5月中旬には第一波が去り、
いつもの忙しさが舞い戻った 

ロックダウン解除後、5月中旬くらいには第一波は収まったとされ、救急外来は通常体制に戻り、ゾーニング(院内では消毒の要不要でゾーン分けがあった)も終了した。

「ここでコロナ症状以外の患者も元のように受け入れるようになったことで、以前の忙しさが戻って来ていました」

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またこの頃から、ある病院が新型コロナ患者の主な受け入れ先になるという体制が解かれ、新型コロナ患者受け入れ専用の病棟はなくなった(現在は集中治療室がいくつか確保されているのみ)。

「呼吸困難の症状で受診する患者さんの数もぐんと減って、PCR検査の結果が陽性になるケースも1割をきるようになりましたね。ピーク時は5割を超えていたんですが、PCR検査で陰性になっても画像診断で新型コロナの症状が確認される患者(=グレーゾーン)もいたので、感染者はもっといたと見ています」

PCR検査や抗体検査を行うラボの前で並ぶ人々。マスクを着用してソーシャルディスタンスを守るようになっている。施設に入れるのは一度に2名までだとか 写真提供/下野真緒

しかし第一波が去ったとはいえ、ワクチンや治療薬が開発されたわけではなく、第二波がないとは言いきれない。
「それでも、コロナのパンデミックを受けてベッド数の増加など病院の整備体制に変化があることはないようです。コロナ患者病棟を急遽作ったり、集中治療室を一時的に増やしたりといった今回築いたノウハウを導入する方向です。第一波を経験したことにより、医療現場では第二波によりスムーズに対応できるのではないでしょうか」折口さんは期待を込める。

一方、フランスの公立病院では政府によって年々予算が削減され、ベッド数や集中治療室なども減らされていることから、時々ストライキが行なわれている。

「実は、今回のパンデミック直前も、フランス中の救急病棟ではちょうどストライキが行なわれていたんです。仕事をしないわけではないんですが、紙やテープに大きく書いて壁などに貼りながら働いたり、時間が空いてる時にデモを行ったりするものです。これを機に、国が予算について見直してくれることを期待したいですね」