MMT理論? 馬鹿げた理屈が出てきたら、ともかくバブルに警戒せよ

ニューエコノミーとITバブルにそっくり
大原 浩 プロフィール

人間はなぜ騙されるのか?

だが、5月21日の記事「人間はなぜ騙されるのか? お人よしでは投資で成功できない」で述べたように、人間は「まず他人を信じるように設計」されており、いとも簡単にだまされる存在でもある。

長年投資に関わってきて、社会的地位も見識もある人々が、ごく簡単な金融詐欺にまんまとひっかかって財産を失うのをたくさん見てきた。もちろん、「人間欲に目がくらむと、真実が見えなくなる」というのは厳しい現実だ。米国で大きなスキャンダルになったマドフ事件ではNASDAQ会長も務めたバーナード・マドフが、30年間も投資家をだまし続けた。

もちろん、詐欺ではないが、一時期世間を席巻した「ニューエコノミー」も、冷静に考えれば奇妙奇天烈な理論だ。しかし、当時は第一線の経済学者やメディア、さらには市場関係者がこぞってこの理論をはやし立てたのだ。

もう20年以上も前の話なので、当時を経験していないあるいは忘れてしまった読者のために「ニューエコノミー理論」をかいつまんで説明すると次のようになる。

 

1.1990年代後半、IT革命により企業内での情報網が整備され、経営環境が劇的に変わった。

2.1のIT革命により、ITシステムが進化し企業の材料の調達・製品生産・在庫・販売のそれぞれにおいて在庫の最適化がられるようになった。

3.2の結果、それまでの見込み生産によるタイムラグで発生していた「景気循環(在庫循環)」が消滅するはずだ。

これが、ニューエコノミー論である。