6月17日 イギリスの化学者W・クルックス誕生(1832年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1832年の今日、イギリスの化学者ウィリアム・クルックス(Sir William Crookes、1832-1919)が誕生しました。

 

彼はタリウムの発見や陰極線の研究などの業績を残しました。

晩年のクルックス Photo by Getty Images

16人きょうだいの長男としてロンドンに生まれたクルックスは王立化学大学に入学し有機化学を学んでいましたが、やがてドイツから来たキルヒホッフの影響で分光学に傾倒していきます。1861年には分光分析を利用し、原子番号81にあたる新元素・タリウムを発見しました。

クルックスの大きな業績としては、陰極線の研究も挙げられます。陰極線とは真空管に電気を通すと観察できる線のこと。彼はオリジナルの放電管を開発して陰極線の解明につとめ、陰極線は帯電した微粒子からなることを発見しました。この微粒子の正体こそが、現在私たちが知る電子なのです。

クルックス管を使った陰極線の実験の様子(ワオ!科学実験ナビ)

ちなみに、クルックスは化学者らしからぬ研究でも知られました。彼は「心霊現象研究協会」の創設メンバーとしてエクトプラズム(霊体を具現化するとされた物質)を研究したり、同時代の「霊媒師」ダグラス・ヒュームの調査を行ったりしました。

ジャンルを選ばず不可思議の解明を試みる姿勢は、科学者に必須の心意気と言えるでしょう。