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普及するオンライン会議でストレスを抱えてしまう最大の原因とは?

シアトリカル・アプローチとは何か①
在宅勤務が普及してきて、オンライン会議でストレスを抱えている方も多いと思います。円滑なコミュニケーションには何が必要なのでしょうか? それはずばり相手の視点で物事を見ることができる「パースペクティブ・テイキング能力」にあると、株式会社トビラボ代表の広瀬彩さんは述べます。そして、このような能力を得意とするのは、意外にも、俳優であるというのです。

オフラインからオンラインへ

様々なやり取りがオンライン化され、面と向かっていてもマスクをつけているために相手の表情がなかなか読み取りづらい昨今の状況で、改めてコミュニケーションの難しさを痛感している方も多いのではないでしょうか?

このひと月のビジネス上の変化は、まさに劇的ではなかったでしょうか。

ノンバーバルの情報が読み難いオンラインでは、思わぬ誤解や衝突を生む可能性があるため、「打ち合わせは、極力対面」を心がけてきた私も、オンラインでの打ち合わせや会議、研修、授業を経験しています。

緊急事態宣言は解除となりましたが、「新しい生活様式」は継続され、「オンラインでの仕事」はこれからも続くことになるでしょう。たとえ対面でのビジネスが可能になったとしても、マスク着用が日常になれば、その下の表情は窺い知ることができません。

コミュニケーションにおける情報のやり取りは、図表1のように、90%以上がノンバーバルに頼っていると言われています。現在私たちが直面している状況は、その最大の情報源を有効に使うことが困難になるということを意味しています。

図表1

今回の新型コロナウィルス感染症拡大をきっかけに、コミュニケーションのあり方も急激に変化し、これまで以上にコミュニケーションの基礎力が求められることになるでしょう。

その処方箋となりうるのが、シアトリカル・アプローチであると考えています。

 

言葉の「奥行き」をキャッチしにくい

「100年続くモノづくりの会社の経営をしていますが、モチベーションをあげるような話が社員に対してできているのか…私の想いが伝わっているのか、自信がありません」

「お客さまに自社の商品をお勧めするのですが、OKしてくださるような魅力的な提案が思うようにできません。」

「オンライン会議だと、部下が私の指示を理解したかどうかがよくわからないんですよね。質問がないから理解したかと思っていると、後から長い質問メールが来たりするんです。

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ビジネスで抱えている課題、その原因の多くは、考えや想いが「伝わらない」「伝えられない」という「ミスコミュニケーション」にあるのではないでしょうか。

「人」と関わらざるを得ないビジネスパーソンにとって「コミュニケーション」の問題は頭痛のタネです。

情報技術の発達からたくさんのコミュニケーションツールが生まれ、私たちの生活は、飛躍的に便利になりました。しかし、従来行ってきたような「人肌の」コミュニケーションが減り、言葉の「奥行き」をキャッチすることが難しくなったことも確かです。

誤解や行き違いによるミスコミュニケーションが原因で、部下が思ったように動かない、会議が停滞して何も決まらない、パワハラ、炎上などなど、思いもしない面倒なことになってしまった……なんてケースも、後を絶ちません。

新型コロナウィルス感染症の拡大以降は、在宅によるリモートワークになり、メールやオンラインツールでのコミュニケーションやオンラインでの会議が中心となりました。

これまで以上に、思っていることが伝わっているのかというモヤモヤ、伝わらないというイライラが蓄積されているのではないでしょうか?