元リクルートの森田亜矢子さんが立ち上げたサイト「ぱぱままSTART UP」で5月17日に公開した「23区内公立小『ICT取り組み状況』草の根ウォッチ」は、23区でのICT教育の現状を可視化しました。3月2日の休校から5月17日までに4つの区をのぞいてほどんどICT教育が進められていない現状が明らかになり、大きな話題となりました。

ただこれは、ICT教育を進めていない誰かを責めるためのものではなく、現状を認識したうえで、日本の公教育を良くするために私たち全員でできることはなにかを考えさせてくれるものでした。森田さん自身も新しく小学生になったお子さんと保育園児の2児の母。そこで、保護者の立場として、自分の子どもだけではなく、日本の教育をより良くするためにどうしたらいいのかを体験をふまえて考察していただきます。

題して「プロ保護者のマインドセット」! 第1回は、新小学1年生になったお嬢さんのひと言からの「気づき」をお伝えいただきます。

NHKから取材が来た「草の根ウォッチ」

コロナ休校の後半戦、GW明けの5月11日に、突如として1週間分の時間割が配られました。時間割に沿って勉強を進める学校と近しい形の『家庭学習』が強制されたことによって、保護者の間では大激震が走りました。私自身も、この春に小学1年生に上がった6才の長女と、下に4才の長男を抱えたシングルマザーなので、仕事をしながら子どもに勉強をさせるということは、ハッキリ言って「無理ゲー」だと感じました。

「みんなはどう感じているんだろう?」と、純粋な興味から始まった『23区公立小学校ICT進捗状況★草の根ウォッチ』が、公開2日後にNHKからの取材依頼を受けるほどにバズったのは、同じように「無理ゲー」に苦しみ、ICTの活用に活路を求める保護者が他にもたくさんいたからではないかと推測します。

ICT教育の始まっている区を「トップランナー」とし、他の区についても草の根で情報を集めて可視化した 「ぱぱままウォッチ『23区公立校ICT進捗状況★草の根ウォッチ』」より

時間割が配られてしまうと、その通りに課題をこなせるかどうかによって、親も子も、「できた」「できなかった」とジャッジされているような気持ちになりますから、GW以前の「学校からはなんの連絡もなくオールフリー」な生活の方が、私たち親子にとっては快適だったなと振り返ります。

 今回は、コロナ休校を通じて私たちが経験した「親が子どもに勉強を教えようとすることほど、親子関係を悪化させるものはない」ということについて、私の考察をご紹介いたします!

親が子どもに勉強を教えると
親子関係は悪くなる

私は、「マザーズコーチングスクール」というプログラムを提供する認定マザーズティーチャーを長年勤めておりまして、「ティーチング=教え込む」のではなく、「コーチング=導き支える」ための具体的な手法を知っているし、何年もトレーニングを積んでいるのですが、それでも今回GW明けに始まった『保護者へ丸投げ型・時間割ベースド家庭学習(オール紙バージョン)』は難しかったんですよね。ひらがなドリルを開かせることにすら苦労しました。

親が子どもに勉強を教えようとすることほど、親子関係を悪化させるものはない」という名言があります。親と子どもは、良い意味でも悪い意味でも「ほどよい距離感を保つ」ということが大変難しい関係性にありますから、他人の子どもであればもう少し辛抱強く付き合うことができても、自分の子どもに対しては、「なんでこんなことも分からないんだ!」「さっき説明したでしょ!」という具合に、親の方のイライラが起こりやすい。

こうなりがち…Photo by iStock

子どもも同じで、お友達のお母さんに言われたことであればすんなり聞けるのに、自分の親が言ったことには無意識のうちに反発心が湧いて、すんなり聞けなくなるのです。