アメリカ版「マイナンバー制度」の明と暗…国に収入を把握される怖さ

日本国民よ、同じ轍を踏むな
笹野 大輔 プロフィール

目的は国民の収入の把握にある

だが、現実は違う。表向きには、本人確認、行政の効率化、公正公平な社会保障制度をマイナンバーの目的としているが、実質的には国民に番号を与え、その番号と銀行口座を紐付けすることにより、国民の収入の把握にあるのだから。

人生において政府からの給付金など、大半の人はほとんどないだろう。これはアメリカでも変わりはなく、今回たまたま新型コロナにより給付があっただけの話だ。

1935年、アメリカでのSSNは、日本の建前と同様に社会保障制度のために始まった。だが、それがいまではアメリカでのSSNの番号は、すっかり個人の収入や信用確認のために主に使われている。アメリカで働くためには必ずSSNを取得しなければならない。

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アメリカにおいて国や行政機関は、SSNの9桁の番号を入れれば、どれだけの収入があるのか調べることができ、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカード申請、銀行口座開設、保険加入、携帯電話契約……など、お金に関わる契約においては、収入こそ民間業者に漏れないが、SSNに付けられた「クレジットスコア」による点数で信用判断される。

日本のマイナンバーもいずれそうなるだろう。高市早苗総務相は「銀行口座を1つ」と発言したが、もうすでに証券口座はマイナンバーが義務化され、保険金の受け取りにもマイナンバーが義務づけられている。おそらく2021年以降は新規の銀行口座はすべてマイナンバーが義務づけられるだろう。

これだけあからさまであるのに、それでも政府は「国民の収入を把握するため」とは言わない。選挙で票が減るからだろう。あくまでも銀行口座にマイナンバー登録は「給付(金)を受けるために」どうぞだ。一種のトラップと言っていい。