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あまりに配慮が欠けている…「新しい生活様式」への強烈な違和感

感染防止のためなら何でもアリですか

首をかしげることばかり

「人との間隔はできるだけ2m(最低1m)開ける」「会話する際は、可能な限り真正面を避ける」「誰とどこで会ったかをメモにする」。最近、よく耳にする「新しい生活様式」の一例である。

「新しい生活様式」とは、政府が新型コロナの感染拡大防止のため、「行動の変容」を求めて、出した指針のこと。「食事」「買い物」「娯楽、スポーツ等」「冠婚葬祭」などのカテゴリーに分け、46項目の実践例が示されている。

いくらコロナ対策とはいえ、そもそも「生活様式」といった個人の生き方ににまで口を出す権限が誰にあるのか。しかも、よく読むとどれも首をかしげるような内容ばかりなのだ。

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「『新しい生活様式』で提示された内容は、これまでの常識通りに真正面から受け入れようとすれば、壁にぶち当たると思います。たとえば劇場や映画館は、指示された通り一定の距離を開けるとなると、席数を減らさなくてはなりません。400席の劇場で、60席しか使えなくなれば、興行が成り立たなくなるでしょう」(教育評論家の尾木直樹氏)

飲食店も同様だ。客が間隔を開けて座ることになると、席数はグッと減ってしまう。さらに「(飲食店では)対面ではなく、横並びに座る」という項目まである。

 

「日本ブッフェ協会」代表理事で、グルメジャーナリスト・東龍氏もこう語る。
「基本的にレストランは、相手の顔を見ながら食事をするスタイルを前提として、設計、デザインされています。『横並びに座る』と言われても、多くの店は対応することは難しいと思います。

さらに、飲食店を利用するときは『屋外空間で気持ちよく』という項目もありますが、東京都内でテラス席を設けている飲食店は全体の3%程度しかないのです。

このままでは、『普通のレストラン』が、新しい生活様式に反しているとして、社会的に批判されかねません」