「新しい生活様式」が、日本経済をこれほど破壊してしまうとは

これから何が起きるのか…?
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緊急事態宣言解除を受け、一部で営業を再開した百貨店も、先行きの見通しは明るくない。大手デパートのアパレル担当者の一人はこう話す。

「百貨店はコロナ以前からもとより厳しい状況にありましたが、さらに厳しくなるのは間違いない。『密に接してはいけない』というのは、接客ありきの業界にとっては存在意義が問われかねず、死活問題です。

新宿に店舗を構えるある大手では、『お客様に話しかけるな』という趣旨のマニュアルが販売員に降りてきています。ソーシャルディスタンスを守り、お客様から求められるまで何もするなというのです。販売員はコミュニケーションありきの仕事。コミュ力こそが腕の見せ所だったのですが、それが完全否定されてしまった」

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百貨店の危機は、その店内に店を構えることで共存関係を築いてきたレナウンのようなアパレルの危機へと直結する。

「ユニクロみたいなEC(電子商取引)が強いところは別として、百貨店と寄り添っていた、古き良き時代のアパレルはすべて厳しい。百貨店がダメになったら販路がなく、売り上げが立たない。ある有名ブランドも、年内に資金がショートすると言われています。何か新しい販路を見出さない限り、みんな百貨店と心中するしかないのです」(同)

 

家から出ず、テレワークで会社にも行かず、人と人が面と向かって話すこともはばかられる新しい世界。果たしてそれで、本当に経済を回すことができるのだろうか。

人間の心理が集団行動に及ぼす影響などを研究するゲーム理論の研究者で、大阪大学准教授の安田洋祐氏はこう語る。

「必要性の高いものを過剰に買い込む一方で、車や家電製品など、優先度の低い耐久財は買い控える動きが出ています。こうした行動は個人レベルでは合理的です。しかし、皆がやるとモノが売れなくなり、消費が減り、ますます景気は冷え込んでいく。

これから経済再開の慣らし運転が始まりますが、安倍首相や、小池都知事から、『消費は悪ではない』という、『自粛癖を直す』方向でのアナウンスが必要です。手遅れになれば典型的な不況に陥り、経済はまったく回らなくなってしまう」

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