元に戻るより、変化の種を育てたい

共働き家庭にとって、働き方と共にコロナによって関心が高まったのは子供の教育です。休校・休園により自宅学習の機会が増え、これまで見えていなかった子供の学習能力に危機感を覚えた家庭は我が家だけではないようです。※自粛によってダンナ君が教育パパに変身(漫画)!

幼児以上に深刻なのは小学生の子供を持つ親たちです。オンライン授業の導入も無く、たくさんの課題を出される状況に「仕事も、家事も、家庭教師も、なんて絶対無理!」と悲鳴が上がりました。私の友人たちは「音楽の課題で『茶摘み』の歌詞の意味を教えろって書いてあるけど、私も説明できない」「習字をやらせないといけないらしい。墨汁をこぼしたら叱ってしまいそう」と暗い目をして話をしていました。仕事の合間に子供の勉強を教えないといけない状況も大変ですが、それ以上に子供の学習能力を目の当たりにして焦りを覚える親たち。

世界中でこんな光景が Photo by Getty Images

改めて先生の指導に感謝するとともに、これからは学校任せにせずもっと親として子供の学習に関わりたいという気持ちが芽生えた人もいるようです。とはいえ、毎日の学習に伴走するのは無理ですし、親が子に一番イライラするのは勉強を教えていて「こんなことも分からないの!?」と思う時ではないでしょうか。お互いの精神安定のためにも指導のプロである先生と協力しながら、これまで以上に学校と連携していけたら良いですよね。

また、長い時間子供と過ごすことによって、教育への関心は単に学習レベルの話でなく、子供の個性に合った教育を受けさせたいという考えにまで広がっています。コロナによりオンラインで仕事ができることが分かった今、地方への移住を考え始めたという人も増えています。週1、2日の通勤だったら新幹線で通えるため、これまでの「職住近接」ではなく、子供に合った教育環境を優先した「教育ファースト」の住まい探しを始めた友人もいます。

これを書いている現在(6月12日)、東京は自粛解除モードでにぎわいが戻ってきました。毎日の出勤を命じる会社も増えて、朝晩の電車も混み始めました。ようやく日常が戻ってきたことは嬉しいのですが、このままコロナ前と同じに戻るのではなく、社会や家庭を良くするためのきっかけとしてコロナによる変化の種を育てていきたいと思うのでした。

ワーママに限らない。男性も、女性も、既婚未婚、子どもいるいないに関わらず、コロナのことで「家ですごす生活」の良さや、満員電車通勤のない仕事の利点など、さまざまな気づきがあったはずだ。それらを単に元に戻すのではなく、社会にも個人にもいい形での働き方を考える必要がある(写真の人物は本文と関係ありません) Photo by iStock
稲田明恵さん連載「MOA漫画」これまでの連載はこちら