「働きたい会社、採りたい人材」の変化

6月に入るとまた電車が込み始め、基本的に出社を命じる会社が増えています。社員からすると、「テレワークでも仕事はできるのになぜわざわざ通勤しないといけないのか」「会社はただ監視したいだけなのでは」「効率性よりも管理主義」といった不満がくすぶりだしています。また、今回の非常事態によって会社の真の姿が浮き彫りになり、愛想が尽きたという人もいます。成田離婚という言葉がありますが、非日常の状況になるととっさの言動で価値観の違いが浮き彫りになったり、相手の頼りないところが見えて幻滅したり。そんな状況がいま会社と社員の間で起こっているように思います。

今後の予測としては、雇用環境はリーマンショック以来最も厳しい状況ですが、個人側の転職希望は益々増え続けるのではないかと見ています。これまでダイバーシティ経営を推進してきた企業ではテレワークやフレックス勤務といった柔軟な働き方があたりまえでしたが、そういった企業への転職希望が殺到するでしょう。企業側は、「働きやすさ」が採用力につながる一方で、プライベート重視のぶらさがり社員を採用しないために、より「成果」「専門性」をシビアに見た選考や評価制度の導入につながっていくでしょう。

現在苦しいのは働き手も企業もだ。だからこそ特徴をよく見て、お互いにマッチする就職・転職を考える必要がある(写真の人物は本文と関係ありません) Photo by iStock

働きやすさとしては、例えば在宅勤務の事前申請を無くしたり出勤の必須日数を週1日以上にしたりと、かなり柔軟な運用を認める会社が出てきています。同時に人事制度についても見直しをして、給与の歩合比率を上げるなど成果主義の色を強くすることで、評価の納得感を高める工夫をしています。

ちなみに全体的に雇用環境は厳しいですが、IT企業やオンラインサービスを展開する会社ではむしろコロナを追い風に事業が伸びています。職種ではインサイドセールスやカスタマーサクセス、マーケティング、エンジニアといった「コスト」より「投資」とみなされる職種では引き続き積極採用が続いています。