「自分事」と思わせるか否かが
真のアピールにつながる

さて、前述の政治家Mさんの質問に戻りましょう。
政治家は票集めのために「オレオレ・スピーチ」をとおして自分の実績を存分にアピールすべきなのか。
 
答えはノーです。

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選挙演説の場合は、たまたま通りがかった人が演説を部分的に聞いて、その人の足を止められるか、そしていかに内容を興味深く聞いてもらえるかが鍵になります。これは選挙演説でなくとも、ビジネスの場でも同様のことが言えます。
 
相手の心をいかに捉え、放さずに最後まで惹きつけられるのか。
ひと言で言えば、スピーチのどの部分を切り取っても、聞き手にとって「自分事」だと感じさせる、ということです。

オバマ前大統領が大統領選の前のスピーチで、聴衆を熱狂させた「Yes, we can! 我々はできる!」も、聴衆が「自分事」として言葉を受け取った例だ Photo by Getty Images

人は「自分事」だと感じられると、足を止め、耳を傾け、心を開いて聞いてくれます。聞き手の「他人事」から「自分事」に変えることが、まさに、「聞き手視点」であり、自分の身近なことなのだと捉えられるような「ストーリー」なのです。