「わが社の実績は…」 

プレゼンやスピーチには、話し手が伝えたいことを主張するというイメージがあります。
 「今日、私がみなさんにお話ししたいことは……」
 「私の経験では……」
 「私は……と考えています」
 「わが社の実績は……」
 「われわれは、このようなミッションを掲げています……」
 
こうしたセリフを頻繁に聞きますよね?
「私が」「わが社が」「われわれが」「自分のチームが」、すなわち「オレが、オレが ……」です。
自分は決して「オレオレ」と言っているつもりではないのに、気づかないうちに「自分視点」で話してしまっているケースがほとんどなのです。
これこそ私が「オレオレ・スピーチ」と呼ぶ「自分視点のスピーチ」です。
 
このような「オレオレ・スピーチ」では、自分が伝えたい内容が前面にきてしまい、
聞き手の興味や問題意識などは後回しになってしまう傾向にあります。

プレゼンでも、パーティでも、ぐっと引き込まれるスピーチと誰も聞かないスピーチを聞き比べてみると…Photo by iStock

同じ内容でも言い方は変えられる

一方で、良い語り手とは、「聞き手視点」で話ができる人であって「オレが主役」で
はありません。
「聞き手視点」で考えてみれば、主役は聞き手。
 
聞き手は、語り手がいかに偉いかという話ではなく、「自分の役に立つ」「自分のためになる」あるいは「自分が共感できる」話を聞きたいのです。

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つまり、聞き手を主役にすると、「他人事」から「自分事」として捉えることができるということです。

「今日、私がみなさんにお話ししたいことは……」➡「みなさんに今日お持ち帰りい ただくポイントは……」

「私の経験では……」➡「みなさんにも私の経験がこのように生かせます……」

 「私は……と考えています」➡「みなさんも……と考えてみることから始めてみませ んか」

 「わが社の実績は……」➡「みなさんは安心してわが社にご依頼ください」

 「われわれはこのようなミッションを掲げています……」➡「みなさんのゴール実現をお手伝いいたします……」
 
このように、聞き手を主役にして同じメッセージを言い換えてみただけでも、聞き手が受ける印象は、かなり「他人事」から「自分事」に変わりませんか?
「聞き手視点」を持ってメッセージを構築するだけでも十分に効果があります。しかしながら、スピーチの達人と言われる人たちは、たんに「聞き手視点」を持つだけでなく、さらに巧みな方法で、自分視点から聞き手視点へとメッセージを転換しています。まさしくストーリーの活用です。